ビッグデータとは?初心者にもわかりやすく簡単に意味を解説

2025年2月28日

インターネット上でさまざまなデータがやり取りされる今、効率的な企業活動の実現に向けビッグデータの活用が注目を集めています。しかし、ビッグデータが具体的に何を指すのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、ビッグデータの意味や活用方法、ビッグデータの分析に適したツールなどをご紹介します。

目次

  1. ビッグデータとは
    1. ビッグデータが注目される背景
  2. ビッグデータを構成する要素
  3. ビッグデータの活用メリット
    1. 高精度な分析がおこなえる
    2. リアルタイムで現状を把握・需要予測が立てられる
    3. 膨大なデータをビジネスに生かせる
  4. ビッグデータの問題点
    1. コストがかかる
    2. データの質が低い可能性がある
    3. 個人情報の取り扱いに注意が必要
  5. ビッグデータの分析方法
    1. ロジスティック回帰分析
    2. クロス集計
    3. アソシエーション分析
    4. クラスター分析
  6. ビッグデータとIoT・AIの関係性
    1. ビッグデータとIoTの関係性
    2. ビッグデータとAIの関係性
  7. データ分析におすすめのツール
    1. Account Engagement(旧Pardot)
    2. PointInfinity AI分析オプション
    3. Snowflake
    4. Tableau

ビッグデータとは

ビッグデータとは、私たちでは把握することが難しいほど膨大な量のデータのことを指します。具体的にどのレベルのデータをビッグデータと呼ぶのか、明確な定義は存在していませんが、下記の「3つのV」または「5つのV」を高いレベルで備えたデータと捉えられる場合が多くなっています。

【3つのV】

  • Volume(量)
  • Variety(多様性)
  • Velocity(速度あるいは頻度)

【5つのV】
「3つのV」+

  • Veracity(正確性)
  • Value(価値)

ビッグデータが注目される背景

ビッグデータが注目を集めるようになった理由としては、主に以下の3つの要素が挙げられます。

  • インターネットの普及
  • テクノロジーの進歩
  • AIの機能向上

インターネットの普及が始まったのは1990年代ですが、当時はまだごく一部のユーザーが利用しているだけでした。その後、インターネットサービスの普及・拡大、高性能なコンピューターやスマートフォンの普及などといったテクノロジーの進歩により、現在では老若男女問わずインターネットが利用され、さまざまなデータがやり取りされるようになりました。

加えて、AIの機能向上もビッグデータが注目を集めるようになった大きな要因です。インターネットの普及により、やり取りされるデータの量は増大しましたが、その量があまりに膨大で、私たち人間にはとても処理しきれません。AIの機能が向上し、ビッグデータを分析できるようになって初めて、ビッグデータを活用する動きが注目を集めるようになったのです。

ビッグデータを構成する要素

総務省が公開している情報通信白書では、ビッグデータを構成する要素として以下が例示されています。

  • ソーシャルメディアデータ:各種SNSのユーザー情報、投稿など
  • カスタマーデータ:CRMなどで用いられる顧客情報、販促データなど
  • オフィスデータ:オフィスで作成されるドキュメント、メールなど
  • ログデータ:サーバーなどで取得される各種ログなど
  • オペレーションデータ:業務システムで生成されるシステムデータなど
  • センサーデータ:センサーで検知される位置情報や温度、加速度など
  • ウェブサイトデータ:ECやブログなどWebサイトの購入履歴、閲覧履歴など
  • マルチメディアデータ:配信サイトなどで提供される音声、動画など

参考:総務省|平成24年版 情報通信白書

ビッグデータの活用メリット

ビッグデータを活用することによって得られるメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。

高精度な分析がおこなえる

ビッグデータが持つ膨大な情報をもとにすれば、より高精度な分析ができるようになります。マーケティングにおいていえば、効果の低い、または高い施策の要因を分析し、その要因を踏まえた施策の実施が可能となります。人の感覚や経験ではなくデータにもとづいた意思決定ができるようになるため、実施する施策の成功率を高めることができるでしょう。

リアルタイムで現状を把握・需要予測が立てられる

ビッグデータを活用できるようになれば、リアルタイムでデータを可視化できるようになります。24時間365日取得されるデータを人が分析・処理するには限界があります。リアルタイムかつ迅速な対応が求められる意思決定や異常検知などには、ビッグデータの活用による情報把握が効果的です。

膨大なデータをビジネスに生かせる

ビッグデータを解析すると、市場や顧客のニーズを把握できるようになります。ニーズが多様化する現代では、まだ他社が手をつけていないビジネスチャンスも多くあるはずです。ビッグデータを活用すれば、これまで提供できていなかった価値を持つ新サービスを創出するなど、企画戦略の策定にも役立ちます。

ビッグデータの問題点

さまざまなメリットが得られる一方、ビッグデータの活用には以下のような問題点もあるのが実情です。

コストがかかる

ビッグデータの活用には、各種チャネルからデータを取得するシステムの構築や膨大なデータを保存するストレージの確保、データを分析するAIの導入など、さまざまなコストがかかります。各種システムの運用・保守費用も含めると、維持費はかなりのものになるでしょう。したがって、ビッグデータを継続的に活用するためには戦略的な投資が必要になります。

データの質が低い可能性がある

収集したデータがすぐに活用できるわけではない点には注意が必要です。各種チャネルから収集されるデータには、業務に活用できるものとできないものが入り混じっています。収集したデータのうち質の高いものを取捨選択してデータを活用する必要があります。

個人情報の取り扱いに注意が必要

収集されるデータの中にはプライバシーに関する情報も多く含まれます。個人情報は個人情報保護法にもとづいて適切に運用する必要があり、データの漏洩にも細心の注意を払う必要があります。万が一、個人情報の不適切な運用や漏洩が発生すれば、企業の社会的信頼が大きく低下してしまうでしょう。

ビッグデータを活用する際には、高いセキュリティ機能を備えたCRM・SFAツールを用いるなどの対策が不可欠です。

ビッグデータの分析方法

ビッグデータを活用するうえでは、データをどのように分析するかが大切なポイントです。現代のビッグデータ分析で主に利用されている4つの手法を解説します。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析とは、事象の発生率を分析する手法です。例えば顧客の購入率を分析する際には、店舗ごとの顧客の購入数、商品数など、購入率に影響を与えると考えられる要素を変数として用いて分析します。このロジスティック回帰分析を行えば、未来の購入率を予測できるようになります。

クロス集計

クロス集計とは2つの項目を掛け合わせて分析をする手法で、データ分析の中では比較的よく使われているものです。例えば、各年代の顧客が商品A~Cそれぞれをどの程度購入したかを表にします。その結果を見れば、商品Aは10代から人気がある、商品Bは10代からは不人気だが20代と30代に人気があるといったように、年代別の商品の購入頻度の相関性を分析できます。

アソシエーション分析

一見無関係に見える要素から相関性を見出す手法です。有名なアソシエーション分析の事例は「ビールとおむつ」の相関性。ビールとおむつはまったく関係のない商品ですが、あるスーパーでおむつを購入した男性の多くがビールも購入しているという分析結果にもとづき、ビールとおむつを近い場所で販売した結果、売上が上昇しています。一見無関係な商品でも、データを可視化できればそれぞれの相関性に気づくことができ、その相関性をビジネスに活用できます。

クラスター分析

異なる性質のデータから関連性がありそうなものをグルーピングし分析する手法です。例えばマスクの購入について分析する場合、季節は春夏秋冬いずれか、天気は晴れと雨のどちらかでグルーピングし、それぞれの購入数を調べます。そうすると、冬の晴れの日が一番売れやすい、要因はインフルエンザの流行や乾燥対策にありそう、といった顧客の購買意思決定に影響を及ぼす要因を発見しやすくなります。

ビッグデータとIoT・AIの関係性

ビッグデータはIoTやAIなどと一緒に話題に挙げられることが多いものです。では、ビッグデータとIoTやAIはそれぞれとどのように関係しているのでしょうか。

ビッグデータとIoTの関係性

IoTは「Internet of Things」の頭文字を取った言葉で、日本語では「モノのインターネット」と呼ばれます。一般家庭における家電や製造における機械などをインターネットでつなぎ、データの可視化や遠隔からの操作などによってモノを効率的に活用する仕組み、および技術です。

IoTに取り組むと、これまで取得できていなかったさまざまなデータを取得できるようになります。このIoTから取得されるデータがビッグデータにあたります。取得したデータをビッグデータとして分析すれば、顧客ニーズに対応した新しいソリューションの提供や組織のイノベーションを実現できるでしょう。

ビッグデータとAIの関係性

AIは「Artificial Intelligence」の頭文字を取った言葉で、日本語では「人工知能」と呼ばれます。

AIは、インプットされた情報を人間の脳のように処理します。人間の脳は記憶できる情報量や処理能力に限りがありますが、AIはデータを保存するスペースや処理リソースを確保できれば人間を遥かに上回る情報処理能力を発揮できます。このAIは、ビッグデータの処理や取り込んだビッグデータを活用したサービスの提供に利用されます。

データ分析におすすめのツール

日々の業務で得られるビッグデータを構成する情報を分析する際におすすめのツールをご紹介します。

Account Engagement(旧Pardot)

Account Engagement(旧Pardot)は、獲得したリードをWebサイトの行動情報などから見込み確度を分析する機能が備わっています。また、蓄積された顧客情報はもちろん、連携されたほかのSalesforce製品から得た情報も活用・分析することが可能なため、データドリブンなマーケティング施策をおこなえます。

>Account Engagement(旧Pardot)の詳細はこちらからご確認ください

PointInfinity AI分析オプション

PointInfinity AI分析オプションは、会員の購買行動などの情報をもとに最適なレコメンデーションを提案するAIサービスです。会員に対してパーソナライズされた商品をおすすめできるため、顧客満足度の向上につながります。また、会員の休眠度をスコアリングすることも可能で、事前に施策を打つことができます。

>PointInfinity AI分析オプションの詳細はこちらからご確認ください

Snowflake

Snowflakeはデータの統合・分析が可能なクラウドデータプラットフォームで、複数のシステムに分散されているデータを集約し一元管理することができます。また、コストに関しても従量課金制のため、データレイクやデータウェアハウスの導入にかかる初期費用も最低限まで抑えたうえで導入が可能です。

>Snowflakeの詳細はこちらからご確認ください

Tableau

TableauはセルフBIツールです。BIとは「Business Intelligence」の略で、データの分析・可視化を行うツールを指します。分析における専門的な知識がなくても簡単に扱うことができるため、データの扱いに慣れていない現場の方でも、それぞれの現場にあわせた形でデータを活用できます。データを社内全体に共有できる点、多くの組織で構成されるコミュニティとナレッジ共有や相互サポートができる点も魅力です。

>Tableauの詳細はこちらからご確認ください

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記事のまとめ

人が処理できない膨大な量のデータ=ビッグデータを活用すれば、リアルタイムに高精度なデータ分析が行えるようになり、ビジネス戦略の策定や新規ビジネスの創出に役立ちます。しかし、ビッグデータの活用にはコストやデータの質、個人情報の取り扱いにおいて課題が多くあります。

データ分析を行いたいのであれば、まずはデータ分析に適したツールを導入し、データ分析の効果を実感してみるのがおすすめです。ここでご紹介したデータ分析ツールを導入し、ぜひデータの効果的な活用を始めてみましょう。

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