Salesforceとは
Salesforceは、マーケティング、営業、受注後のサービス提供などにおいて効率的な業務を支援するプラットフォームです。
Salesforceには、CRM、SFA、MAなど各分野のソフトウェアがあり、それぞれの製品がクラウドサービスとして提供されています。マーケティングでは営業に確度の高いリードを提供し、営業支援ではプラットフォーム上での案件や顧客の一元管理により業務効率を高めることが可能です。受注後のサービス部門にも顧客情報や案件情報が共有され、深く顧客を理解した満足度の高いサポートサービスの提供を実現します。
Salesforceの活用目的
Salesforceは多数の製品ラインアップを持ち、営業活動において導入企業にさまざまなメリットをもたらします。代表的な利用目的としては以下の5つが挙げられます。
データの一元管理
Salesforceを使うことにより、顧客データを一元的に管理することができます。同じ顧客に向けたマーケティング、営業、サービス部門の対応履歴はまとめて管理され、データは蓄積されていきます。蓄積されたデータから顧客についての分析を行い、ネクストアクションにつなげることもできます。
営業活動の効率化
マーケティング、営業、サービス部門などにおけるデータを一元的に管理・共有しているため、営業状況の把握や見積りなどの関連業務にも役立ちます。それにより営業活動の業務効率化を図ることも活用目的の一つです。
売上の見える化
収集したデータはSalesforce上で自動的に集計できます。このデータを利用して売上の予測を立てることや、売上を見える化することも可能です。
売上予測については以下の記事もご覧ください。
営業担当者の育成
営業活動の情報をSalesforce上に蓄積し過去の商談のデータを分析することで、営業活動の質を向上させることができます。また、過去のデータは営業担当者の育成に向けたナレッジの役割も果たします。営業ノウハウの抽出と共有による営業力の向上も利用上の大きな目的となります。
営業力については以下の記事もご覧ください。
顧客情報を活用した営業戦略立案
営業戦略の立案もSalesforceを活用する目的の一つとなります。顧客や取引先のさまざまな情報をSalesforceに集めておくことで、このデータを起点として営業戦略を最適化することが可能です。
さらに、Salesforce上に蓄積した顧客の情報からは趣味嗜好や行動傾向なども分析することができます。こちらも営業戦略の立案などに役立てることが可能です。
Salesforceを効果的に利用する方法
Salesforceを効果的に利用するためのポイントをご紹介します。
専門用語を覚える
Salesforceの操作でよく出てくるのが下記の3つのキーワードです。Salesforce上のデータ構造と画面の項目に紐付いて使われる用語となります。
- オブジェクト
- レコード
- 項目
オブジェクトとは、Salesforceで取り扱うデータの集合体と格納のための領域です。「取引先」や「商談」などがSalesforce上で管理されるオブジェクトとなります。Salesforceの画面上では、上部に出てくるタブのそれぞれがオブジェクトにあたります。スプレッドシートではシート名にあたります。
レコードは、オブジェクトに格納された一つのデータです。取引先のオブジェクトには、A社、B社、C社といった複数の企業を登録して使いますが、そのうちのA社に関するデータが一つのレコードとなります。Salesforceの画面上では、横の一行分のデータがレコードにあたります。スプレッドシートでは、行にあたります。
項目はレコードの持つデータの種類のことです。A社のレコードの中にある名前や住所が項目にあたります。Salesforceの画面上では、縦の一列が項目にあたります。スプレッドシートでは、セルにあたります。
構造を理解する
Salesforceの基本的なデータの構造は、前項で扱ったオブジェクト、レコード、項目で成り立っています。さらに、オブジェクトは標準オブジェクトとカスタムオブジェクトに分かれます。標準オブジェクトはSalesforceにはじめから用意されているオブジェクト、カスタムオブジェクトはユーザーが定義するオブジェクトです。
営業業務でよく利用される「リード」「取引先」「取引先責任者」「商談」などは標準オブジェクトとして用意されています。
リードはマーケティングなどで獲得した見込み顧客を表すオブジェクトです。商談獲得に至っていないリードを格納します。
取引先は商談における取引相手の企業の情報を格納するオブジェクトです。企業の名称や住所、連絡先などの情報が該当します。
取引先責任者は商談における取引先の責任者や担当者について個人の情報を格納するオブジェクトです。リードの状態では取引先の企業と担当者の情報は一つにまとめられていますが、商談からは別々に管理します。
商談は商談そのものを表すオブジェクトです。商談における取引先や商談の概要、商談のフェーズなどを記録する役割があります。
目的に合わせてデータを蓄積する
Salesforceの活用目的に合わせてオブジェクトを設定します。オブジェクトには項目を追加することが可能です。また、商談フェーズのカスタマイズやオブジェクトそのものも追加できます。
オブジェクトを設定することで、その後の営業業務では設定した項目に合わせてSalesforceにデータを入力する流れとなります。商談の発生時、商談のフェーズ進行時、取引先が増加時などで目的となるデータを取得できます。
こうして継続的にSalesforceを使うことでデータが蓄積されていきます。
データを可視化し、変革する
Salesforceでデータが蓄積できたら、データをレポートにして数値をグラフや図表にして可視化します。複数のレポートのグラフや図表を1つのダッシュボードにまとめることができるため、営業活動の課題点を見つけ、改善アクションを把握することができます。
他社の活用事例を知る
SalesforceはCRM製品としてNo.1のシェアを誇っており、多くの企業で利用されています。他社での活用事例からはSalesforce利用のヒントを多数見つけることができるでしょう。また、事例を知ることで、自社内でどのように活用できるのかを具体的にイメージできるようになります。効果的な利用方法を身に付ける参考にしましょう。
Salesforceを利用する部門別のメリット
Salesforceはその名前から営業部門に向けたツールというイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実は全社で部門横断的に使用することで効果が高まるツールです。例として、下記3部門でのSalesforceのメリットをご紹介します。
マーケティング
マーケティング部門においては、Salesforceが提供するMAツールが活躍します。ランディングページの作成や顧客属性に合わせたメール配信などの機能を持ち、パーソナライズされたマーケティング活動が可能です。リードの獲得から育成、スコアリングまで対応しています。
営業
営業部門では、Salesforceにより案件や顧客の情報を一元管理できます。顧客とのやり取りや営業活動履歴を残すことができるため、商談に必要な情報に素早くアクセスできます。また、AIによるネクストアクションの提案などもあるため、より効率的な営業活動が可能です。
カスタマーサービス
カスタマーサービス部門では、顧客情報に素早くアクセスできるため、お問い合わせを受けた際にすぐに顧客の必要としている情報を把握することができます。よくある質問と回答をあらかじめ登録してメールの自動作成を行う機能などもあります。お問い合わせ情報の共有・管理などにおける業務効率化にも効果的です。
Salesforceの活用事例
Salesforceの導入メリットをより深く知るために、Salesforceの活用事例をご紹介しましょう。
DIC株式会社様
印刷インキメーカー世界最大手のDICでは、営業のフィールドが広いことが原因で、市場動向や顧客ニーズ、商談の情報が十分かつタイムリーに共有されない課題を抱えていました。また、営業担当者が報告書や会議資料の作成に多くの時間をとられてしまうことも課題でした。
そこで、デジタルマーケティングプロジェクトを立ち上げ、Sales Cloud、セールスフォース社のマイページ構築基盤を導入。課題の解決とともに、企業内でやり取りされる情報の量、質、スピードを向上させることに成功しました。資料の作成・読み合わせが負担となっていた打ち合わせも、Salesforceのダッシュボードを共有してアクションプランを議論する形への変革が実現されました。
>DIC株式会社様のSalesforceの導入事例の詳細はこちら
株式会社日本経済新聞様
日本経済新聞は経済メディアとしてデジタル化を積極的に進めています。しかし、重要視するデジタル広告営業部門において広告在庫に関する課題を抱えていました。
このデジタル広告営業の課題を解決するために、Salesforceの整備と製品の追加を行いました。すでにSales Cloudを導入していたもののデジタル広告の在庫可視化・分析に適した標準機能が使われていなかったため、整備を行い、在庫管理、売上管理において標準機能を活用しはじめました。パートナーとの情報の共有に向けてはセールスフォース社のマイページ構築基盤を導入し、広告代理店とのタイムリーな情報共有を実現しています。
>株式会社日本経済新聞様のSalesforceの導入事例の詳細はこちら
UDトラックス株式会社様
トラックの製造・販売を行うUDトラックスでは、他社のCRMは導入していたものの動作が遅く、レポート機能にも不足があり、営業会議は気合先行となってしまっていました。データが把握しづらいことが非合理的な顧客選定と営業活動にもつながり、新規顧客獲得率が低下していることも大きな問題でした。さらに、CRMの修正は海外チームに依頼しており、軽微な修正にも時間がかかるため、社会変化やお客さまの要望に対してスピーディーに応えられないという問題もありました。
そこで、中長期的な目標達成に向けた施策としてSales Cloudを導入し、CRMの入れ替えを実施。リアルタイムかつ正確な営業情報を共有できるようになり、データにもとづいた戦略策定と営業会議の実現につながりました。
また、デジタルな営業の仕組みを実現したことで、顧客に提供する体験をアップデートでき、新規顧客獲得率の向上にもつながりました。システムの改修や保守においても、自社主体のスピーディーな対応体制が確立されました。
>UDトラックス株式会社様のSalesforceの導入事例の詳細はこちら
株式会社日立ソリューションズ
株式会社日立ソリューションズの場合も、SFAを導入してはいたものの効果が表れていませんでした。データの質・量が悪いため効果が見えず、経営判断に必要な数値の集計、分析にコストがかかっていました。
そこで、BPR(Business Process Re-engineering=業務改革)としてSalesforceの再構築を実施。データレイクに他システムから集約したデータをBIツールで分析・可視化する仕組みを作り上げ、パイプライン管理を実現することができました。
これにより、データの質・量の向上が見られ、再構築以降の全期で業績目標を達成。システム運用コストの4倍の業務コスト削減にも成功しています。今後は営業部門以外も活用できる経営ツールとして成長させていく方針です。
Salesforce導入支援は日立ソリューションズ
日立ソリューションズは、自社にSalesforceを導入したものの成果が見えず一度は失敗しましたが、再構築と社内での運用整備を行い、成功を収めました。この経験から、導入をゴールとするのではなく、導入したお客さまのビジネスを最大化するための手段としてSalesforce導入支援サービスを提供しています。
SFAの導入に失敗した経験があるからこそ、失敗した理由を分析し、活用するまでに必要なポイントをお伝えできます。仕組みの導入だけでなく抜本的に業務を変えるために必要な施策についても、お客さまと真摯に向き合いサポートします。
Salesforce導入実態調査
株式会社日立ソリューションズは、「Salesforceの活用状況に関する実態調査」を実施しました。
年商規模100億以上の企業に所属する販売・営業部門/企画部門/システム企画部門に所属する会社員・団体職員・経営者・役員の100名を対象に、「Salesforceの導入の有無」「Salesforceの導入を決めた理由」「Salesforceの導入時期」「Salesforceの導入後の満足度」「Salesforceの導入によるメリット」「Salesforceを導入していない理由」「所属部門の現状の課題」「所属部門の課題の解決方法」「Salesforce導入/活用のために必要なもの」などをお聞きしました。
ダウンロードお気軽にご相談ください
「費用はどれくらい?」「導入スケジュールは?」
「他社の事例を教えてほしい」「製品の仕様は?」など、お気軽にご相談ください。
「オンデマンドCRMソリューション Salesforce」の資料をダウンロードいただけます。
SFA・CRM・MAに関するさまざまなテーマについて日立ソリューションズの知見をもとに有益な情報を発信していきます。
記事のまとめ
Salesforceは、マーケティングから営業、サービス部門に至るまでの顧客と案件情報を管理し、業務支援を行うプラットフォームです。案件や顧客対応の履歴を共有し、スピーディーで効率的な業務を実現します。
日立ソリューションズでは、自社でのSalesforceの導入、失敗から再整備による成功までの経験のもと、Salesforceを利用してお客さまのビジネスを最大化させるためのさまざまな支援を行っています。まずはぜひお気軽にご相談ください。