受注確度とは
受注確度とは、顧客が自社の商品やサービスを購入する可能性を数値で表したもので、営業活動において極めて重要な概念です。
受注確度を管理することによって、営業担当者はどの顧客に対して営業活動に注力すべきかを的確に判断できます。また、それによって限られたリソースを有効に活用することが可能となります。
受注確度を管理するメリット
受注確度を管理すると正確な売上予測がとれるため、適切な目標を設定することが可能となります。正確な売上予測を踏まえた目標設定は、効率的な人事や資金計画にもつながります。
では、受注確度を管理することのメリットをより詳しく見ていきましょう。
売上の向上
受注確度を管理すると、成約確度が高い顧客にアプローチできるようになるため、成約率が高まります。高い成約率は会社の収益に直結し、売上の向上に大きな影響を与えるでしょう。
また、成約確度が高い顧客が明確になるため、効果的かつ戦略的に営業活動を行えるようになります。限られたリソースをターゲットとなる顧客に注力することで、売上の最大化につながります。
売上予測の向上
受注確度を管理することで、売上予測の正確性が向上します。精度の高い受注確度があれば、現在の営業戦略がどの程度の売上をもたらすのかについて、より精緻な予測ができるようになります。
また、売上予測の精度が上がることで、適切なKPIが設定できます。KPI設定では、商談数や受注率、架電数などが指標となりますが、受注確度が明確であれば、より正確なKPIの設定が可能となります。
さらには、現場に負担をかけない現実的な計画を立てることもできます。商談設定やリサーチにかける時間の設定など、営業活動の進行度合いごとに最適な目標を設定できるため、売上につながりやすくなります。
このように、受注確度の管理はビジネスにおいて非常に重要な要素であり、売上予測の正確性に大きな影響を与えるものです。
営業戦術策定
受注確度を管理すると成約につながりそうな顧客の数を把握できるようになるため、現場レベルでの営業戦略を立てやすくなります。例えば、
- 確実な受注が見込める顧客が少ないため、新規開拓に力を入れる
- 確実な受注が見込める顧客が多いため、営業グループには新規開拓よりも商談で使える資料作成や何に悩んでいるか探る顧客へのヒアリング、顧客への商談に注力してもらう
ほかにも、
- 確実な受注が見込める見込み顧客がいれば、新人教育のために契約締結の瞬間を見せる
- 受注が50%くらい見込める見込み顧客がいて、月末で売上を上げる数字が欲しければ、高いクロージング率を持つ営業担当をつける
というように、状況に応じた営業戦略が立てやすくなるでしょう。
受注確度を統一するポイント
受注確度を管理する際は、営業担当者が同じ基準で管理できるようにすることが重要です。そのためには以下のポイントに留意する必要があります。
BANT条件を活用する
BANT条件とは、Budget(プロジェクトの予算)、Authority(プロジェクトを承認できる権限を持つ人)、Needs(プロジェクトが必要とされる理由)、Timeframe(プロジェクトを導入する時期)の頭文字を取った言葉です。これらの指標を受注確度設定の基準にすれば、一定の基準により受注確度を管理できるようになります。
予算が多く割り当てられている案件、社長が承認する権限がある案件、業務効率化など会社にとって必要不可欠な案件、年度内に導入を完了させる必要がある案件などは、受注確度が高いと判断されるでしょう。逆に、予算が限られている案件、部長が承認する権限である案件、要望はあるが必須ではない案件、導入時期に余裕がある案件などは、受注確度は相対的に低いと判断できます。
BANT条件にもとづいて受注確度を判断することで、受注確度の基準が個人の主観によるものではなく一定の基準にもとづいたものとなり、プロジェクトの優先順位を客観的に付けることが可能となります。
優先順位をつけて、リスト化する
受注確度を明確にするためには、リスト化をすることが大切です。数値評価を取り入れたリスト化によって、受注確度の管理を効率的かつ客観的に行うことができます。
リストを作成する際には、BANT条件にもとづいて受注確度の高い案件から順に並べることが重要となります。例えば、受注確度を5段階で評価し、5が最も高い受注確度、1が最も低い受注確度とするような方法です。数値評価をすることで、より客観的な受注確度の判断が可能となります。
リストを作成する際は、受注確度の度合いに加えて顧客やプロジェクトの詳細情報も記載しましょう。それによって、優先順位を判断するための情報を一元的に管理、可視化できます。
また、定期的にリストを見直すことで、市場の変化や顧客の状況に合わせた受注確度の管理ができます。その際には、BANT条件の再評価や顧客ニーズの再把握も忘れずに行いましょう。
ツールを導入する
受注確度の管理を効率化するためには管理ツールを導入することも有効です。そのメリットは、情報の一元管理にあります。管理ツールを導入することで入力すべき情報が統一化され、受注確度を正確に把握することにつながるのです。
特に複数の部署や担当者が関わる案件では、管理ツールを共有することで部署間、担当者間を横断した情報の整理が実現し、最新の受注確度を常に把握・共有できるようになります。それによって主観的な判断が減り、さらに確度の高い受注管理ができるようになるでしょう。
適切な管理ツールを導入し定期的に入力情報を見直すことが、市場の変化や顧客の変化をスピーディーにつかむことにつながります。
受注確度の管理にはSales Cloudを
受注確度の管理を効率的に、かつ正確に進めたいなら、Salesforceの営業支援システム、Sales Cloudの導入をおすすめします。
Sales Cloudには受注確度の評価機能が搭載されており、リストの作成や更新が簡単に行えます。また、顧客や取引先の情報を一元管理できるため、受注確度を判断するために必要な情報を容易に得ることができます。さらに、AIの機械学習によって受注確度を容易に導き出すことも可能です。
受注確度管理に関してお悩みの際は、ぜひSales Cloudの導入をご検討ください。
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記事のまとめ
受注確度の管理は新規開拓営業を展開するうえで基盤となり得るものであり、どれだけ正確に管理できるかが重要となります。
BANT条件にもとづいた評価を行うこと、リスト化をして優先順位をつけることなど、ここでご紹介したポイントを押さえながら、受注確度を正確に判断するための取り組みをぜひ進めてみましょう。
また、その際はSales Cloudもぜひ活用し、効率的かつ正確な受注確度管理を実現してください。
