第一生命保険株式会社様 SaaS型ITサービスマネジメント ServiceNowの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

SaaS型ITサービスマネジメント ServiceNowの導入事例

第一生命保険株式会社様

IT運用マネジメントの強化を目的とし、システムの構成管理をレベルアップ

1902年に日本初の相互会社としてスタートし、お客さま第一主義“一生涯のパートナー”を経営理念に掲げる第一生命。
今回の「SaaS型ITサービスマネジメント ServiceNow」導入は、IT運用マネジメントの強化を目的とし、システムの構成管理をレベルアップした取り組みです。

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課題
導入後
委託元としてのIT運用マネジメント態勢に改善の余地あり
構成管理機能により管理態勢を強化
システム構成情報が分散管理
情報の入手、トラブルの影響や要因がつかみやすくなる
第一生命として、はじめてのクラウドサービス
安全性とリスクを調査し、ServiceNowに問題がないことを確認

導入の背景

委託元管理として、IT運用マネジメントを強化。

鈴木 義人 氏ITビジネスプロセス企画部 IT運用管理課 次長
鈴木 義人 氏

多数のシステムを保有し、ITサービスを提供する第一生命保険株式会社(以下、第一生命)では、運用の大部分をグループ会社である第一生命情報システム株式会社(以下、DLS)に委託しています。DLSは、ITIL、ISO20000認証に準拠した運用管理であるため、安心して委任。そして第一生命は委託元として、より高度な把握体制を構築したいと考えていました。

「たとえば、システム障害が起きた時、より迅速に障害発生時の対応ができるように、第一生命側が委託元管理として、IT運用マネジメントをより整理して強化していく必要性を考え、その実現が課題となっていました」(鈴木氏)

具体的に課題と感じていたのは、システムの構成管理です。

「これまでは、DLS社内のLotus Notesで作成したアプリケーションにて、構成情報を含めたハードウェアやソフトウェアの情報を管理していました。
また、第一生命社内での管理という面では、システム運用を含めた業務委託の契約をまとめた管理の仕組みがあったものの、セキュリティ確保の観点や目的・用途に応じて個別に管理されていたため、タイムリーに構成情報を取得することが難しい状況でした」(杉本氏)

選定までの経緯

デモを見た時“こんな感じ、こういうのがやりたいことだよね”という印象。

杉本 亮太郎 氏ITビジネスプロセス企画部 IT運用管理課 課長補佐
杉本 亮太郎 氏

IT運用マネジメント強化のプロジェクトは、現状の把握からスタート。まずは、株式会社日立製作所(以下、日立製作所)に相談し、日立製作所、株式会社日立コンサルティング(以下、日立コンサルティング)がプロジェクトに加わることになりました。

「現状認識のため、構成情報の管理スキームを確認しました。
それをもとに、第一生命としてめざすべきレベルを検討。ITILのフレームワークでは最新のバージョン3のレベルを、ITガバナンスの視点ではCOBIT5のレベル3を目標に設定し、これを基準に現状の成熟度を評価。目標レベルへの到達を目指して、あるべき姿を整理していきました」(鈴木氏)

「あるべき姿を検討する中で、構成管理プロセスは既存の仕組みを流用すると、機能の変更や追加などが必要となり、タイムリーに検索するといった実装が難しい機能もあるため、これを機に新しい製品を入れたほうがいいという考えに至りました」(杉本氏)

製品の選定にあたって重視した機能は、大きなところで6点。

  • ワークフロー機能
    DLSの現場運用担当者が更新すると、第一生命側にも承認のワークフローが回ってくる機能を実装できること。
  • 詳細な権限設定機能
    運用担当者ごとに閲覧・更新可能な情報を制御し、柔軟にカスタマイズできること。
  • ドキュメント管理機能
    外部設計書、運用設計書など、Excel、PowerPointといった様々なファイル形式で作成されたドキュメントを、そのまま管理できること。
  • 拡張性
    まずは構成管理で使用し、将来的にはインシデント管理、問題管理、他のITILの運用プロセスの管理なども実施できること。
  • セキュリティ機能
    各種セキュリティ対策が施されており、当社の基準を満たしていること。
  • 構成情報の検索機能
    サービス/システム/HW/OS/SWを関連付けて管理し、該当箇所の影響範囲や関連する情報が速やかに取得出来ること。

「当初候補には、従来のLotus Notesで開発した仕組みやオンプレミスでの開発を含め、8製品がリストアップされていました。
ちょうどその頃、 “海外のグループ企業では『ServiceNow』というサービスを使っている”という情報が入りました。『ServiceNow』もリストアップした8製品の中に含んでおりましたので、更に情報を収集したところ、日本国内でも扱っているベンダーが数社あることが分かり、その1社が日立ソリューションズでした。
ベンダーについてもいろいろ調べてみると、販売・適用だけの企業もある。その点、すでにプロジェクトに参加していただいている日立グループの企業であれば、導入前から導入後の運用まで、いろいろとお任せしやすい。日立ソリューションズからの導入がベストだろうと考え、話を聞かせてもらうことになりました」(鈴木氏)

「日立ソリューションズについては、最初のプレゼンテーションがとてもわかりやすかった印象があります。製品仕様の詳細などいくつか確認事項があったのですが、持ち帰るようなことはなく、すべてその場で回答していただき、不安を払拭することができました」(杉本氏)

「そうですね。『ServiceNow』のデモを見た時に“こんな感じ、こういうのがやりたいことだよね”というのが、最初の説明でスッと入ってきた印象でした」(鈴木氏)

さらにプロジェクトは、『ServiceNow』の特性ともいえるSaaS型であることも検証。

「クラウドサービスであり、自前で保有する必要がないため、コストを考えれば他の製品より抑えられるのは大きなメリットです。一方、第一生命でクラウドサービスを導入するにあたって、今回は個人情報を扱うわけではありませんが、慎重にならざるを得ません」(鈴木氏)

そこでプロジェクトは、クラウドの安全性とリスクを調査。金融情報システムセンター(FISC)の基準・点検項目、有識者会議による報告書などを調べ、クラウドが抱えるリスクを検証。すべてにおいて、『ServiceNow』に問題がないことを確認しました。

こうした取り組みを経て、『ServiceNow』の導入を最終決定。まずは、『ServiceNow』が持つ機能の一つ、システムの構成管理から適用することを決めました。

導入時の取り組み

機能の追加などはほとんどなく、既存の機能を活かしたカタチで実装。

製品選定を受け、プロジェクトに日立ソリューションズが正式加入。日立グループ内では、各社が専門性を活かしながら連携し、適用が進められていきました。
これと並行し、第一生命では約半年間かけて利用環境を整備しました。

「これまでのシステム情報は、詳細なものもあれば、構築時の仕様書そのままのものなど、管理している情報にバラつきがありましたので、管理する項目を決め、入力作業者が悩まないように、標準化しました」(鈴木氏)

「『ServiceNow』については、機能の追加などはほとんどなく、既存の機能を活かしたカタチでの実装です。そもそもそういうポイントで選定しましたので、要件を細かく出して作り込んでもらうことはありませんでした。
日立ソリューションズによる設定も1ヵ月くらい。第一生命で定めたルールに合わせて、設定変更などをお願いしましたが、すぐに対応いただけて早かった印象ですね。極めてスムーズに進んだと思います」(杉本氏)

導入の効果

当初の目的であったIT運用マネジメントの更なる強化。

「ServiceNow」が稼動し、構成管理機能を使い始めて約半年が経過。

「今まさに、既存の構成管理情報を『ServiceNow』に移行している最中です。まもなく第一生命の全社インフラシステムの構成情報について管理対象になります。
一元管理により情報取得が容易になり、管理情報を標準化し、更新時のワークフローを実現したことにより登録情報の精度が高まると考えています。」(杉本氏)

「軌道に乗れば、なんらかのシステムトラブルが発生した場合に、構成がどうなっているか。Webサーバーが何台、DBサーバーが何台あって…そういう情報の入手とともに、トラブルの影響がつかみやすくなるはずです。
第一生命では、構成管理を含めたIT運用マネジメントのプロセスを強化しており、PDCAを回しながら継続してレベルアップを図っていきたいと思っています。」(鈴木氏)

今後の展望

将来的にはインシデント管理など他機能の使用も検討。

「今は、構成管理機能しか使っていませんが、将来的にはインシデント管理など他機能の使用も検討していきたいと考えています」(杉本氏)

また日立ソリューションズとしては、最新セキュリティ情報と、システム構成情報のマッチングによる効率化やスピードアップなどの施策提案を用意。

「『ServiceNow』については、日立のJP1との連携などもあるようなので、より使いやすく、より効果的なツールとして発展することを期待しています。
日立製作所、日立コンサルティング、日立ソリューションズには、私たちの目的であるIT運用マネジメント強化を推し進めるために、今後もいろいろご提案いただけることを期待しています」(鈴木氏)

第一生命保険株式会社

1902年、日本で初めての『相互主義の保険会社』として設立。徹底した堅実経営、お客さま重視の姿勢、「最大たるより最良たれ」。創業者は規模を追い求めるのではなく、お客さまや社会にとって「最良」であることこそが生命保険事業の最大の価値であると考えました。
115年以上の時を経て今も受け継がれている第一生命グループの「お客さま第一主義」の経営理念は、今も社員一人ひとりに刻まれ、ビジネスの隅々にまで行き渡っています。

本社所在地 日比谷本社/東京都千代田区有楽町1-13-1 第一生命保険株式会社
主要拠点 豊洲本社/東京都江東区豊洲3-2-3 豊洲キュービックガーデン
創立 1902年(明治35年)9月15日
従業員数 56,724名(内勤職12,068名、営業職44,656名)
※ 2016年9月末時点
事業内容 国内生命保険事業
URL http://www.dai-ichi-life.co.jp/

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本事例の内容は2017年4月17日公開当時のものです。

最終更新日:2017年7月19日