ServiceNow® Customer Service Managementの導入事例
三菱HCキャピタル株式会社様紙ベースだった手続きをServiceNowでWebサービス化。運用効率が約15%高まり、顧客満足度も向上
与信・請求・回収機能を提供する立替払いサービス「HiPaymentサービス」を展開する三菱HCキャピタルは、それまで紙の帳票ベースで行われていた手続きをWebサービス化するためのSaaSとして「ServiceNow Customer Service Management(CSM)」を導入。運用工数を約15%削減するとともに、セキュリティ強化や顧客満足度向上も達成しました。今後、CSMは電子請求書を発行するための仕組みとしても活用される予定です。
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背景
紙ベースの業務に存在した効率面などの課題
木幡 達也 氏
三菱HCキャピタル株式会社は、2021年4月に三菱UFJリース株式会社と日立キャピタル株式会社の合併によって誕生しました。主な事業は物件のリースですが、決済ソリューション室では「HiPaymentサービス」を10年ほど前から展開してきました。サブスクリプションなどのB2Bサービスを提供する企業(提携先)に代わり、利用側企業(取引先)に対する与信管理および利用代金の請求・回収を担っています。
当初、HiPaymentサービスの業務は主に紙ベースで運用されてきました。提携先からの毎月の請求データはデジタル(CSV形式)でしたが、取引先からの申し込み関係の書類は紙で運用されていたのです。
「紙では受領・保管・返送などの処理に手間がかかり、効率がよくありません。提携先の多くが取引先向けのWebポータル画面を用意しているにもかかわらず、当社のHiPaymentサービス利用部分においては紙での処理が必要であったことは改善すべき課題だと考えていました」(木幡氏)
さらに、提携先から同社に請求データを送信する際は暗号化したものをメールに添付していたため、誤送信によって情報が外部に流出する可能性も否定はできませんでした。
取り組み
費用と社内利用実績でServiceNowを選択
榊 元洋 氏
そこで三菱HCキャピタルはHiPaymentサービスのフロント部分をWeb化する必要があると判断。2020年9月に検討を開始しました。対象としたのは、メインの業務となる与信依頼(提携先→同社)、申し込み(取引先→提携先→同社)、請求データ送信(提携先→同社)の3つの処理です。紙帳票をWeb化するだけでなく、各種手続き状況の一元管理化も組み込むことがねらいです。想定されるデータ件数は200件/月、稼働時間は平日の8時から18時としました。
「最初に見積もり依頼したITベンダーはスクラッチ開発方式だったため、かなり高額でした。そこでSaaSの利用を検討し、日立ソリューションズから提案された『ServiceNow Customer Service Management(CSM)』に決めました」(木幡氏)
同社がCSMの採用を決めたのは、2020年11月。その後は、提携先の要望ヒアリングも含めた要件定義、基本設計、テスト環境構築というステップで構築作業を進め、2021年3月にはCSMを利用できる状態になりました。
「当社のほかの部門でも数年前からCSMを業務で使っており*、SaaSとしての機能や日立ソリューションズの技術力には信頼を置いていました」(榊氏)
*リース取引中の企業を対象に、契約にかかわる各種手続きをサポートするポータルサイト「WEB-COMPASS」にCSMを使用
効果
フロントのWeb化で運用工数を約15%削減
町田 桃子 氏
HiPaymentサービスのメイン業務でCSMを実際に使い始めたのは2022年4月です。それまでの1年間は、約20社の提携先との調整や一部提携先によるテスト使用に充てられました。その結果、すべての提携先にWeb化されたHiPaymentサービスのフロントを使ってもらえることになり、請求データ送信は2022年4月分から、与信依頼と申し込みについては新規の案件からCSMを使って運用されています。
「HiPaymentサービスのメイン業務をWeb化できたので、毎月の運用工数が約15%減りました。一連の手続きをWebで完結できることは提携先に歓迎されていますし、取引先の満足度も高いと聞いています。メール添付でのファイル送信を使わなくなったことで、セキュリティリスクも軽減できていると思います」(町田氏)
新しい機能として、取引先のステータスを一元的かつ容易に可視化できるようになったことも業務効率向上につながっています。
「フロント部分をWebサービス化したことは、当社のDXやAI変革を推し進める良い事例となりました。初期費用を抑えながら短期でサービス開始したことを経営層も評価しています」(榊氏)
展望
今後は電子請求書の発行にも活用予定
メイン業務のWebサービス化が完了したことを受けて、三菱HCキャピタルは諸変更(住所変更など)のサブ業務についてもCSMでのWeb化を進めています。さらに、CSMは請求書の電子化にも使われる予定です。同社はHiPaymentサービスに関して、サービスビジネス事業者向けに日立ソリュ―ションズの課金システムBSSsymphonyとの協業営業を進めており、今回のWeb化により両社間のサービス連携が強化され、協業ビジネスの市場競争力アップにもつながっています。
「システム構築にあたって、日立ソリューションズにはいろいろと助けてもらいました。クラウドの利点を生かして、運用開始後の改善も続けていき、より大きな付加価値を生むために、これからも支援してほしいと思っています」(木幡氏)
同社はプラットフォームとしてのCSMの効率性をさらに突き詰めていく予定です。
「機能を拡充し、安全性と信頼性を高めていくために、日立ソリューションズには運用面でのサポートを含め、これからも期待しています」(榊氏)
さまざまな業種でサービタイゼーションが進行する中、日立ソリューションズはこれからも「ServiceNow Customer Service Management(CSM)」で価値創出を支援してまいります。
顧客向けWebサービスをSaaSで実現
- SaaSのWeb画面を使ったセルフサービス化と自動化により、顧客・三菱HCキャピタル双方の業務効率をアップ
- 快適なユーザーエクスペリエンス(UX)を提供することにより、顧客満足度の向上を実現
- 業務の進捗状況と顧客ステータスを可視化することで、顧客サービス管理の生産性向上を実現
※ServiceNow、ServiceNowのロゴ、Now、その他のServiceNowマークは米国および/またはその他の国におけるServiceNow, Inc.の商標または登録商標です。
三菱HCキャピタル株式会社
所在地 | 東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング | |
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設立 | 1971年4月12日 | |
従業員数 | 連結:8,972名、単体:2,203名(2022年9月末現在) | |
事業内容 | 各種物件のリース、各種物件の割賦販売、各種ファイナンス業務等 | |
URL | https://www.mitsubishi-hc-capital.com/ |
HiPaymentサービスは、お客様のお取引先様に対する与信・請求・回収業務を三菱HCキャピタルへアウトソーシングするサービスです。
https://www.mitsubishi-hc-capital-jifuri.jp/service/hipayment/
この事例に関するソリューション・商品
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本事例の内容は2023年5月17日公開当時のものです。
最終更新日:2023年5月25日