スマートマニファクチャリングソリューション
保守・アフターサービスにおけるこれからのデジタルツール利活用
~顧客満足度を高める保守サービス~
はじめに
国内製造業を取り巻く環境は大きく変化しています。経済面では、少子高齢化により国内市場は縮小し、一方で新興国市場は急成長しておりターゲットとするマーケットの変更を余儀なくされています。また、国内市場の縮小により市場を失った異業種が、業種の壁を越えて製造業の領域に参入してきており、 製品力/サービス力の競争は激しくなる一方です。社会とくに労働市場に目を向けると、熟練工の退職に代表されるように製造業においても少子高齢化による労働力減少が顕在化し、人材不足がビジネス遂行上の最大の課題となっています。
減少する労働力に対し、デジタルテクノロジーはクラウドサービス、モバイル端末が普及期に、IoTやAI、AR/VRといった技術が実用段階に入り、加速度的に進歩しています。
こういった背景の中、製造業はこれまでどおりモノを作って売るだけでは生き残っていけない時代に突入したといえます。製造業の多くは、この時代の変化に対応するために、モノを売った後、保守/サービス業務などのアフターマーケット領域での収益拡大を図っています。保守ビジネスは新たな収益源として注目され、これまで保守/サービス部門はコストセンターとして扱われていましたが、いまではプロフィットセンターへのシフトが期待されています。
デジタルツールの利活用が期待される領域
デジタルテクノロジーの進歩に合わせ、製造業においてもAIやIoTをはじめとしたデジタルツールの利活用が期待されています。その中でも、直接的な顧客価値の向上につながる保守・アフターサービスの領域で期待が高まっています。保守・アフターサービス領域では、IoTを活用した予知保全、ウェアラブル/クラウドサービスを活用した遠隔保守、サービタイゼーション(製造業におけるサービス化)に代表されるまったく新たなサービスが、デジタルツール利活用の一般的な事例といえます。
海外の先進的な取り組み事例
ロールス・ロイス社の航空エンジン部門では、航空エンジンを売るのではなく、エンジンの出力と使用時間に応じて利用者(航空会社)に利用料金を請求するという従量課金サービス、言い換えれば「ジェットエンジンの推進力を売る」というビジネスモデルを展開しています。サービタイゼーションの有名な事例ですが、収益を出すためにはいかに効率的な保守メンテナンス業務を行うかがポイントになると考えます。なぜならば、サービタイゼーションでは、提供している機器の整備に関しては、サービス提供元の役割になるからです。サービタイゼーションを実現しているロールス・ロイス社では、IoTを活用し、航空機の飛行履歴、エンジンの稼動実績を記録・可視化し、適切なタイミングで、適切な場所に整備士を配置し、効率的なメンテナンスを実現しています。
国内の先進的な取り組み事例
次に、日立ソリューションズがトヨタ自動車元町工場で実施した、IoTを活用した先進的な取り組み事例を紹介します。トヨタ自動車元町工場では、広大な工場内を走り回るAGV(無人搬送車)について、「障害や立ち往生が発生したときに、停止位置がわからない」「AGVを復旧させるのに0.5から1.0人工の工数が発生していた」「部品が届かないリスクに備えて各工程で在庫を減らせない」などの課題を抱えていました。これら課題を解決するために、日立ソリューションズは、低価格なIoT機器を活用し、大規模な設置工事無く、GPSでは実現できない屋内や地下での位置把握を実現しました。IoT機器を利用しAGVの運行状況を予報/警告の2段階で大型モニターに表示することで、停止したAGVの復旧作業工数の削減、AGV台数削減と在庫低減の可能性を追求しています。
DX推進に欠かせない考え方とは
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