スマートマニファクチャリングソリューション
保守・アフターサービスにおけるこれからのデジタルツール利活用
~顧客満足度を高める保守サービス~
保守サービス実務の効率化
①サービス型業務アプリケーション/モバイル端末の利活用
次に、保守サービス実務の効率化を実現する、デジタルツールの利活用ソリューションを3点紹介します。
1つ目は、Dynamics 365 for Field Serviceに代表されるサービス型の保守サービス業務向けアプリケーションと、モバイル端末の活用ソリューションです。
保守サービス向けの業務システムは、これまでは各社が個別にスクラッチ開発することが多かったが、ここ数年はパッケージ、特に初期導入費用を抑えることのできるサービス型のパッケージを検討・導入されるお客さまが増加傾向にあります。Dynamics 365 for Field Serviceであれば、コンタクトセンターへの修理依頼受付から、保守部門管理者による作業指示登録・保守員割り当て、モバイル端末を活用した現場作業、作業結果分析まで、一連の業務フローを標準機能で網羅しています。また取り扱い製品や各社の異なる業務にも柔軟に対応するため、高いカスタマイズ性も備えています。
また、モバイル端末の活用により、GPS機能を利用したルート検索、カメラ機能を活用した作業エビデンス写真の記録、タッチパネルを利用した電子サインの記録など、使い慣れたモバイル端末を最大限活用することで、システム導入時のストレスを感じることなく、保守サービスの効率化を図ることができます。
保守サービス実務の効率化
②ウェアラブルデバイスを利活用した遠隔保守
2つ目に、ウェアラブルデバイスを利活用した遠隔保守ソリューション「フィールド業務情報共有ソリューション(遠隔保守)」を紹介します。フィールドの映像をウェアブルデバイスあるいはタブレット端末などを通じてオフィスと共有することで、熟練者はオフィスにいながらにして、現場の状況を見ながら的確に作業指示を行うことができます。その結果、作業品質の向上に加え、若年者への技術継承、移動コストや人件費といったコストの低減が実現できます。
保守サービス実務の効率化
③GPSと地図情報を活用した作業員安全管理
3つ目に、GPSと地図情報を活用した作業員安全管理ソリューションを紹介します。作業員の安全管理は、工場や建設現場など危険を伴う場所での作業が必要となる製造業において、もっとも重要な経営課題の1つです。
日立ソリューションズの「GeoMation 作業員安全管理ソリューション」は、スマートデバイスを活用した保守員の位置把握、保守員の位置把握とリアルタイム映像の閲覧よる作業者の安全支援と作業支援を実現します。位置情報・映像・音声を活用し、現場状況をリアルタイムに見える化することで、作業者や重機の位置把握により、安全管理や事故発生時の迅速かつ的確な対応を可能にします。
おわりに
製造業におけるモノの販売以外での収益拡大は、大きな可能性を秘めていると考えます。サービタイゼーションのようなビジネスモデルの変革ともいえる大がかりなものから、身近なスマートデバイスの機能を活用した保守サービス実務業務の効率化まで、収益拡大を実現するための方法は多岐にわたります。いずれの場合も、IoT、AI、クラウドサービスやSaaS型パッケージなどのデジタルテクノロジーの利活用は必須です。世界的にも高水準にある国内製造業のサービス品質と、最新のデジタルテクノロジーを組み合わせれば、より高付加価値のサービスを実現できます。
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