AI
開発支援
業務効率化
品質改革
プロジェクトの進捗状況を「可視化」!人手不足のCASE分野で成果最大化
2023年1月20日
自動運転や電動化を始めとした「CASE」は新たなビジネス領域であることから、開発プロジェクトを進める多くの企業が、潤沢な人材がいないという課題に直面しています。しかしそんな課題を抱えながらも、限られた人員で高い成果を出すことが求められています。
人員不足という課題を解決するアプローチとしては、真っ先に人材採用の強化が頭に思い浮かびます。しかしCASE市場は有望性が非常に高いこともあり、以前よりも人材の獲得競争が激しさを増しており、人員面からの組織の強化を早期に実現することは容易ではありません。
高橋 昌志
株式会社日立ソリューションズ
モビリティソリューション本部 オートモティブソリューション部
技師
プロジェクト全体を「面」として捉える発想
CASEとは「Connected」「Autonomous」「Shared & Services」「Electric」の頭文字をつなげた造語です。日本語にすると、Connectedは「つながる化」、Autonomousは「自動運転化」、Shared & Servicesは「シェアリングとサービス」、Electricは「電動化」を示し、これらはこれからのモビリティ市場で重要な要素となっていきます。
CASEは新たなビジネス領域です。特に、クラウドやAIのスキルを持った人材が圧倒的に足りていません。CASEの各領域においてはソフトウェア開発が従来よりも重要な要素となってくるからです。これまで自動車業界の企業の主たる事業ドメインは、ガソリン車の製造に関するビジネスでしたが、業界の潮流は大きく変わっています。
そんな中、企業は人材不足に悩まされながらも、従来のビジネス分野よりもスピード感を持って高い成果を出すことが求められます。そのためには、「リーダー・マネージャー」「担当者・スタッフ」のそれぞれに対し、効率的に働ける環境を用意することが必要になります。
両者は立場が異なっていても、実際には連携しながらプロジェクトを進めています。密な連携が重要であることは当然ではありますが、もし連絡や相談、意思の疎通などにかかる時間や手間を減らしてもプロジェクトが円滑に進む仕組みが構築できれば、結果としてそれぞれがほかの業務にもっと時間をかけられるようになります。
ドキュメントや開発の品質状況を可視化
こうした俯瞰的な視点で開発されたのが、日立ソリューションズが提供する「プロジェクト状況可視化システム」です。プロジェクト状況可視化システムでは、ドキュメントや開発の進捗状況や品質状況などを可視化することができます。
品質状況の可視化の一例
従来、リーダーやマネージャーがプロジェクトにおける各工程・各タスクの進捗状況や品質状況を確認するためには、大前提として各担当者が時間を割いて報告書をつくる必要がありました。そしてリーダーやマネージャーも、漏れなく進捗状況を把握するためには、各担当者とのやり取りなどに多くの時間を割く必要があり、一定の工数がかかります。
プロジェクト状況可視化システムでは、日々の品質状況、たとえば、コーディングや機能テストがどれくらいの段階にある状況なのかなどが自動で集計・分析され、その結果がネットワーク上でタイムリーに共有されるため、担当者にとってもリーダー・マネージャーにとっても、メリットがあります。
このプロジェクト状況可視化システムは、もちろんプロジェクト人数が10人以下の小規模な場合でも役立ちますが、関わる人数が多ければ多いほど、効果を発揮します。100人を超えるプロジェクトでは大いに役立ちます。
近年はリモートワークが推進されていることもあり、各工程・各タスクの品質状況の共有はよりしにくくなっています。そのため、プロジェクト状況可視化システムのような仕組みのニーズが一層高まっています。
プロジェクト状況可視化システム
AIを活用したドキュメント診断やソースコード診断により、品質の均一化を実現。日々のレポートにより品質不良や後期遅延リスクを早期発見し、手戻り防止や業務効率化を支援します。
「教育ツール」として担当者のスキル向上も
プロジェクト状況可視化システムは、開発担当者のレベルアップも促します。システムの機能として、AIによるレビュー機能もあるからです。ドキュメントやソースコードを作成したあと、AIが修正・対応が必要な要素を診断して洗い出してくれるため、誰かに頼らなくても、ドキュメントの作成スキルやエンジニアスキルなどを自身で高めていくことが可能になります。
ソースコード分析の一例
CASE関連のプロジェクトでは、小規模でスタートした組織を短期間で大規模化する必要があるケースも散見されます。開発競争が激しい有望市場ならではのことと言えます。そのため、「開発スピードを上げたいから急いで10人追加した」「組織の人員が短期間で2〜3倍に膨れ上がった」といったこともあります。
さらにCASEが新しいビジネス領域であることもあり、同じプロジェクト内に異なるスキルレベルのエンジニアが多数混在するケースも少なくありません。企業が人員の確保を急ごうとしても、必要スキルを既に備えた経験豊富なエンジニアだけを多数確保することは難しいのが現実だからです。異業種から転職してきたエンジニア人材の存在にも目を向けるべきです。
従来、マネージャーはこうした異なるスキルレベルのエンジニアそれぞれに合わせ、個別にレビューや指導を行う必要がありました。AIを使ったレビュー機能は、どんなスキルレベルの担当者・エンジニアでも対応できるため、マネージャーの負担を減らすことにもつながります。
担当者からみても、マネージャーに何度も何度もレビューを依頼するのは、精神的な負担が非常に大きいものであり、自動レビュー機能は現場の開発担当者からも非常に好評を得ています。つまり、プロジェクト状況可視化システムは「情報共有ツール」としてだけではなく、「教育ツール」としての役割も担っているわけです。
他社との開発競争を優位に進めるために
前述のとおり、プロジェクト状況可視化システムは、さまざまなスキルレベルのエンジニアのための教育ツールとしての役割にも期待できます。通常、組織力の底上げをめざすとき、人員を増やすアプローチは有力な対応策として挙がりますが、CASE領域においては現在、人材不足が顕著なことから、各エンジニアの能力を高める視点は非常に
CASEの各分野は既に実用化・商用化のフェーズに入っています。この重要な時期において他社との開発競争を優位に進めるために、プロジェクト状況可視化システムの導入を検討すべきではないでしょうか。
高橋 昌志
株式会社日立ソリューションズ
モビリティソリューション本部 オートモティブソリューション部
技師
2008年 旧日立ソフトウェアエンジニアリング(現)日立ソリューションズに入社。
カーナビゲーションシステム、車載カメラ、車載ミリ波レーダー、車載ソフトウェアシミュレータ開発などのソフトウェア開発に携わり、2020年よりプロジェクト状況可視化システムの開発・拡販活動に従事。
関連ソリューション
プロジェクト状況可視化システム
AIを活用したドキュメント診断やソースコード診断により、品質の均一化を実現。日々のレポートにより品質不良や後期遅延リスクを早期発見し、手戻り防止や業務効率化を支援します。