F-LINE株式会社様 Snowflake、Tableauの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

Snowflake、Tableauの導入事例

F-LINE株式会社様

膨大なデータから変化の兆候を素早く抽出。誰もが使いやすいデータ分析・活用基盤を構築

2019年に加工食品メーカー5社の出資のもと“競争は商品で、物流は共同で”を基本理念とし、物流会社3社を統合する形で発足した総合物流会社であるF-LINE。効率的な共同配送だけでなく、食品物流で培った管理機能や付加価値を生活周辺産業全体に広げながら、荷主と一体となって協議し、物流課題の解決策を講じています。そのため、物量分析やトラックの稼動状況把握、物流倉庫の在庫管理の可視化などにおいて「Snowflake」と「Tableau」の活用を進め、DX推進に取り組んでいます。

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この事例に関するソリューション・商品

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課題
導入後
これまでのデータ基盤ではパフォーマンスに課題があり、データ活用の障壁になっていた
DWH(データウェアハウス)の新規構築によって、データダウンロードのパフォーマンスが約10分の1に短縮された
データの分析・加工に時間を要し、しかもノウハウが属人化されていたため、知見の共有が進んでいなかった
データ加工の定型化を進め、ノウハウの属人化を避けることで、社内にデータ活用を推進する気運が高まった
BIツールの活用が社内に浸透しておらず、データを迅速な経営判断に生かす文化が未成熟だった
BIツールの活用が進み、データの可視化が進むことで、事業本部会議などで経営課題の分析が開始された
データドリブン経営を支えるシステムアーキテクチャ

背景

配送ネットワークの適正化を検証したい

M・A 氏上席理事 コーポレート・支援本部 DXソリューション部長
M・A 氏

F-LINE株式会社は、全国80拠点に物流センターを擁し、自社保有トラック600台、協力物流会社を含めると全国で約2,000台のトラックの稼働により、食品を中心とした荷物を配送しています。

トラックの稼働状況を管理することは重要な課題であり、稼働実績や積載する荷物の内容を精度高く分析することが、トラックの耐用年数や更新時期を判断する目安になります。

これまでオンプレミスで構築してきたDBMS(データベース管理システム)には、トラックの稼働データなどが格納されていました。しかし、データを手元に引き出し、上層部から求められる集計や加工をして資料に仕立てるまでにはかなり時間がかかっていました。

「データ量が増えたことで、DBMSからデータを手にするのに、1日かかる場面もありました。翌朝になって、ダウンロードできているかどうかを確認するということもありました」(M・A氏、以下A氏)

さらに、データを加工するためのBIツールを導入していましたが、習熟に時間がかかるような難易度で、誰もがすぐに活用できる状態ではなかったと言います。保存容量の限界にも近づいてきており、さらに、情報が共有されていないことによって各部署で重複した作業を行っているなどの問題も起きていました。

取り組み

「Snowflake」「Tableau」の導入によりクラウド化

T・G 氏コーポレート・支援本部 情報システム部 基盤管理グループ
T・G 氏

こうした課題を解決するために、データ活用基盤の刷新を決めた同社は、コンペを通じて、日立製作所・日立ソリューションズ・Snowflake社による共同提案を採用しました。

DWH基盤として高い拡張性と柔軟性を持つ次世代クラウドデータプラットフォーム「Snowflake」、BIツールとしてドラッグ&ドロップでのシンプルな操作と高い表現力に定評がある「Tableau」を導入することで、クラウドシフトを行うことに決めたのです。「システム設計の潮流や、今後のBCP対策などを考慮して、クラウド化すべきと判断しました」とA氏は語ります。

プロジェクトは2020年10月にキックオフしました。構築段階では従来のDBMSから「Snowflake」へのデータ移行作業が不可欠です。担当したT・G氏(以下G氏)は、「データレイクに移行するにあたってAWSを一旦はさむ方法を取りました。こういった経験は初めてでしたので、日立ソリューションズに随時アドバイスを求め、的確にフォローしてもらったことで、完遂することができました」と振り返ります。

構築は4カ月で終了し、思い通りにデータを集め、スピーディーに加工できるかどうか、スモールスタートでの実証が始まります。

「最初に手がけたのは、出荷物量布図の作成です。一定のエリアにどれだけの量の荷物を運んでいるか。それを『Tableau』を使って、エリアにマッピングしてみました。すると、物流の状態が一目でわかり、効率的な配送ネットワークであるかどうかの検討にすぐに取りかかれました」(A氏)

さらに、各物流センターの倉庫の在庫保管状況と、在庫過剰時期に借り受けた倉庫会社への荷物の預託状況を横断的に可視化することにもチャレンジしました。これまでは逐次状況をつかむことが難しかったため、自社倉庫が空いても他社倉庫に保管しているという状況が起きることもありましたが、グラフで明確に状況を確認することで、ムダを省いていくことができる見通しです。

効果

データ分析が社内に波及、今後は経営分析へ

Y・H 氏コーポレート・支援本部 DXソリューション部 分析グループ マネージャー
Y・H 氏

2024年6月には、これまでの実績を踏まえ、本部社員25名を集めたデータドリブンワークショップを開催しました。ワークショップの実行を担当したY・H氏は「『Tableau』に実際に触れたときは驚きの連続でした。データ可視化の優位性を実感したのです。そこで、BIツールを理解し、データ分析・活用していくノウハウを社内に広めていくことが肝要だと考えました」と語ります。

ワークショップは好評で、もっと学びたい、ほかの人にも受講を勧めたいという声が多く寄せられました。このワークショップは、今後、各部署で活躍を期待されるデータ分析リーダーを育てる場にもなります。

こうしてデータ分析の機運が高まる中、それを支えるデータ基盤のパフォーマンスについては、「従来30分ほどかかっていたダウンロードがおよそ3分でできるようになりました」とG氏は言います。パフォーマンス向上によって、データ活用に対する障壁がなくなり、「Tableau」の使いやすさを知った社員たちからは「次はこんなデータを分析したい」などと声が上がり、意欲が高まっています。

こうしたデータ活用が、今後のデータドリブン経営につながっていくとA氏は期待しています。

「『Tableau』は経営基盤のベースとなる事業本部会議の資料にも活用されるようになりました。今後は活用の幅を広げ、社員の職種別年齢構成比を可視化することで次世代の人事戦略を練るなど、物流分析以外での活用も検討されています」(A氏)

展望

今後は業界連携によるスマート物流構築へ

自社物流のDXを推進していく同社は、今後は物流業界全体のサステナビリティを見据えた取り組みにおいてもリーダーシップを発揮しようとしています。

業界では「2024年問題」と呼ばれる人手不足と生産性の改善が焦眉の課題ですが、解決のためには、荷主や配送先とのデータ連携を進化させることが欠かせません。同社は国交省が導入を進める納品伝票エコシステムの実証実験に参加し、自社での実績を踏まえながら、スマート物流の基盤構築に取り組もうとしています。

「今回のプロジェクトで日立ソリューションズのきめ細かな支援があったからこそ、こうした広い領域での取り組みにも踏み出せました。技術力を信頼しているので、これからも伴走支援を期待しています」とA氏は微笑みます。

社会を支える物流を進化させていく同社を、日立ソリューションズはこれからも支援してまいります。

F-LINE株式会社

所在地 東京都中央区晴海一丁目8番11号 F-LINE株式会社
設立 1952年10月2日
従業員数 1,748名(2024年3月末時点)
事業内容 常温貨物から冷凍・冷蔵食品までを運送する貨物自動車運送事業、
倉庫業・通関業・港湾運送事業 等
URL https://www.f-line.tokyo.jp/

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本事例の内容は2024年11月20日公開当時のものです。

最終更新日:2024年11月20日