株式会社NTTドコモ様 マルチレイヤ監視ソリューション ThousandEyesの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

マルチレイヤ監視ソリューション ThousandEyesの導入事例

株式会社NTTドコモ様

お客さま目線でインターネットまでのエンドツーエンドの通信品質を可視化することで、サービス品質向上を実現

OCNの個人向けサービスを運営するNTTドコモは、提供サービスの通信品質向上を目的として「ThousandEyes」を導入。2023年4月から47都道府県に設置した疑似お客さま環境拠点で運用を開始し、インターネットまでのエンドツーエンドの経路と問題個所を可視化することで、問題への早期対応と通信品質の向上を実現しました。今後は、「ThousandEyes」ログを分析してさらなるサービス向上に役立てようとしています。

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課題
導入後
設備管理部門からの連絡がなければ、サービス品質が良いか悪いかがわからなかった
サービス部門主導でお客さま目線での測定を行うことで、サービス品質状況を把握できるようになった
通信品質低下の原因がエンドツーエンドのどの個所かを特定するのが難しかった
疑似お客さま環境からインターネットまでの経路を可視化し、問題個所を特定できるようになった
障害発生時は、迅速にお客さまに障害発生をお知らせすることが求められていた
ネットワーク品質監視結果をもとに、従来よりも迅速にお客さまに障害を伝えられるようになった

背景

サービスの通信品質の継続的監視が課題

田端 氏営業本部 OCN部 ND光サービス担当課長
田端 奈津子 氏

日本を代表する通信企業の株式会社NTTドコモは、携帯電話事業だけでなく、インターネットサービスプロバイダー「OCN」の個人向けサービスの運営事業にも携わっています。OCNのサービス提供を主管するOCN部にとって、お客さまが利用する通信の品質を一定のレベルに保つことは重要なミッションとなっていました。

「多数のお客さまからのアクセスが集中する夜間の時間帯には、インターネット全体が混雑するために、ゲームなどの反応が普段より少し遅くなることがあります。必ずしもOCNの設備に原因があるとは限らないのですが、お客さまがSNSで『いつもより遅いね』と書き込んでしまうとあらぬ誤解が広まりかねません。そうならないように、サービスの通信品質を継続的に監視する必要がありました」(田端氏)

しかし、OCN部の当時のサービス品質監視は受動的なスタイルになっていました。SNSに「いつもより遅いね」などの書き込みがあることを発見しても、設備管理部門から障害発生の連絡を受けていなければ、遅延などの原因がどこにあるかを特定できなかったのです。これでは、お客さまに提供するサービス品質状況を正確に把握できず、通信品質維持向上が実現できないことになります。

取り組み

カスタマイズ重視で「ThousandEyes」を選択

有馬 氏営業本部 OCN部 ND光サービス担当主査
有馬 啓太 氏
西脇 氏営業本部 OCN部 ND光サービス担当
西脇 達也 氏

そこでOCN部は「品質見える化」プロジェクトを発足。全国47都道府県に疑似お客さま環境拠点を設置し、サービス主幹として、お客さま目線でのネットワーク品質監視の実現をめざしました。

「品質見える化のプロジェクトでは、どこか1つの地点ではなく、47都道府県すべてのポイントで、通信品質を測定・可視化することを達成すべき絶対の条件としました」と有馬氏は語ります。

「ネットワークエンジニアとしては、問題がNTT東西のネットワークにあるのか、OCNのネットワークにあるのか、それともインターネット側にあるのかを切り分けられるようにすることが最重要の課題でした」と西脇氏も続けます。

監視にはNTTグループ内で使われていたシステムを使うという選択肢もありましたが、OCN部のニーズに合わせたカスタマイズが難しいことから断念。代わりに同部が選んだのは、ユーザー側で容易にカスタマイズができる「ThousandEyes」でした。

OCN部内で導入検討が始まったのは2022年10月。11月から検証を進めつつ、日立ソリューションズに相談して最適な製品構成を選び、2023年1月に採用を決定しました。疑似お客さま環境拠点での実運用は2月にスタート。4月には47都道府県すべてで「ThousandEyes」による監視が行われています。

効果

通信品質の指標と通信経路が即座に判明

「ThousandEyes」を使ってネットワーク品質監視を始めたことにより、NTTドコモのOCN部は目標としていたサービス品質の向上を達成することができました。

OCN部が監視の対象としているのは、PPPoEとIPoEの2種類のプロトコルを使ったエンドツーエンドの通信です。障害やその予兆の判断には、レイテンシー(遅延)、スループット(転送量)、ジッター(揺らぎ)、パケット損失の各指標を使用しています。本稼働にあたっては、ダッシュボード上の表示が北海道から沖縄へと並ぶように拠点名の付け方を工夫し、障害発生時に迅速に対外発表できるように測定間隔も短めに調整しました。

「ダッシュボードに通信経路が自動的に示されるので、『いつもより遅いね』というSNSの書き込みをきっかけに、経路上で問題が発生しているか否かがわかるようになりました。これまでとは逆に、設備管理部門に『この場所で障害は発生していませんか』とこちらから問い合わせをすることもあります」と西脇氏は話し、他部門への説明も容易になったと喜びます。

「対外発表が必要な場合は、当社のWebサイトに障害連絡を出すことになっています。発表するには正確さと迅速さが求められますが、そのための判断材料を提供するツールとして『ThousandEyes』はとても役立っています」と有馬氏も効果を感じていると語ります。

展望

改良を続けつつ、今後はログ解析も予定

このような実運用と並行して、OCN部はネットワーク品質監視の可能性をさらに高めるための努力を続けています。例えば、ネットワーク品質監視の精度アップに向けては、「ThousandEyes」の設定を微調整するチューニングを繰り返し実施しており、各部門・各拠点の人たちとの情報共有の質を向上させるために、ダッシュボードの仕組みと外観も継続的に改良しています。

さらに今後は、ネットワーク品質監視で得られたデータを分析してOCNのサービス向上に役立てていく予定です。「ThousandEyes」のログは外部に取り出せますので、統計解析ソフトウェアやBIツールで処理することによってサービス品質基準の見直しや新サービスの品質指標の検討に役立てようとOCN部は考えています。

「日立ソリューションズには導入する製品構成を決めるときに相談に乗ってもらい、非常に助かりました。通信品質の向上を足がかりに、低遅延などにこだわった通信サービスのラインアップを充実していきたいと思います」(田端氏)

汎用的なマルチレイヤ監視ソリューションである「ThousandEyes」は、通信事業者だけでなく、一般企業でのネットワーク監視にも最適です。日立ソリューションズはマルチハイブリッドクラウド時代の企業様を支えていきます。

マルチレイヤで通信の状況を監視して可視化

  • インターネットを含むネットワーク上の通信経路を、マップで自動的に可視化
  • アクセス障害が発生したり可用性が低下したりしている地点を突き止めて、マップ上に自動的に表示
  • 表示される画面を各部署の担当者が使うことで情報を共有でき、スピーディーで確実な対応を実現
自動的にネットワークをマップ化し、視覚的に確認が可能

自動的にネットワークをマップ化し、視覚的に確認が可能

株式会社NTTドコモ

所在地 東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー 株式会社NTTドコモ
設立 1992年7月1日(営業開始)
従業員数 7,903名(NTTドコモグループ47,151名)(2023年3月31日現在)
事業内容 通信事業(携帯電話、光ブロードバンドなど)、スマートライフ事業(dマーケットなど)、その他
URL https://www.docomo.ne.jp/

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本事例の内容は2024年5月21日公開当時のものです。

最終更新日:2024年5月21日