西松建設株式会社様 マルチレイヤ監視ソリューション ThousandEyesの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

マルチレイヤ監視ソリューション ThousandEyesの導入事例

西松建設株式会社様

端末、拠点、クラウドサービスまで、ネットワーク全体を可視化。アクセス品質確保とトラブル対処の業務最適化を実現

総合建設業を事業とする西松建設では、これまでWANの可視化ができておらず、ネットワークトラブルが発生しても担当者がユーザーに直接ヒアリングを行うなど、トラブルシューティングにかなりの時間を要していました。そこで日立ソリューションズの支援のもと、「ThousandEyes」の導入を決めました。その結果、WANだけでなくネットワーク全体をリアルタイムで可視化することが可能となり、問題解決に要する時間を従来の1/8に短縮することができました。

Interviewee :
DX戦略室 ICTシステム部 ICTインフラ課 副課長 五十嵐 貴之 氏
DX戦略室 ICTシステム部 ICTインフラ課 能井 瑛友 氏
DX戦略室 ICTシステム部 ICTインフラ課 主任 菅田 幸希 氏

メインイメージ

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課題
効果
Web会議をはじめ、端末からクラウドサービスへのアクセス品質確保とトラブル対処を効率化したい
「ThousandEyes」によりエンドツーエンドで通信を可視化。トラブル時の切り分けに要する時間を大幅に短縮
LANのみならず、本社と拠点、営業所や工事現場事務所を結ぶWANの通信状態を詳細かつリアルタイムで把握したい
全国の拠点において複数キャリアで構成されていたWANを可視化。トラブル時のキャリアへの問い合わせが不要になった
トラブル発生時のユーザーへのヒアリングの負担を軽減し、障害発生個所を正確に把握することで迅速に対処したい
可視化によってユーザーへのヒアリングが不要に。症状がリアルタイムで把握でき、担当者の業務負担が減少
概要図

背景

LAN以外は通信状態の把握が困難

2024年に創業150周年を迎えた西松建設は、長い歴史の中で培った現場力、すなわち現場におけるきめ細かな施工管理力と、現場に潜むさまざまな課題を自ら発見し、自ら解決するチカラを強みに事業を展開しています。

DXに注力している同社では「西松DXビジョン」を策定し、「現場力がシンカ(深化・進化)したスマート現場」、「仮想と現実が融合した1人ひとりが活躍できるワークスタイル」、「エコシステムで新しいサービスや空間を創り出すビジネス」を3本柱として、DXでさらなる価値を社会に提供します。

同社のネットワークは本社、国内の主要な支社・支店の12拠点、全国各地の営業所、工事現場の事務所を結び、端末数は数千台に上ります。その中で、BIM/CIM(Building / Construction Information Modeling)や Microsoft 365 などの各種クラウドサービスを業務で利用しています。また、営業所や工事現場でのネットワークキャリアは地域ごとに異なります。

同社は2020年の本社移転を機にネットワークを刷新しました。同時期、コロナ禍の影響などによりWeb会議の利用などが増えて働き方に変化が訪れるとともに、端末から業務利用サービスへのアクセス品質低下の課題が浮上しました。

「Web会議が途中で切れるなど、ネットワークにトラブルが発生した際、従来の管理ツールではLANしか通信状態を把握できませんでした。拠点間を結ぶWANはキャリアに問い合わせるしか手立てがなく、一次切り分けの段階から大変苦労しました」(五十嵐氏)

また、トラブル発生時のユーザー対応にも課題を抱えていました。西松建設DX戦略室ICTシステム部ICTインフラ課では、当初2名体制で本社、12支社、35営業所、そして300を超える全国の工事現場事務所のネットワーク環境維持を管轄していました。ネットワークトラブルの発生時は、担当者がヒアリングシートをユーザーに渡し1つひとつ原因究明を行っていたため、トラブルシューティングに多くの時間を費やしていました。

「状況を調べるためにトラブルの症状についてユーザーにヒアリングシートの記入をお願いしていたのですが、そのやり取りに双方労力がかかっていました。さらには、ヒアリングシートが入手できた頃には症状が収まっていたり、調査に長時間を費やしても原因究明ができなかったこともありました」(能井氏)

取り組み

「ThousandEyes」でネットワーク全体を可視化

同社はこれらの課題を解決するために、ネットワーク全体を可視化できるツールの導入を検討。2製品でPoCを含めて比較し、「ThousandEyes」を採用しました。

「『ThousandEyes』ならLANだけでなくWANの状態も監視でき、拠点間、さらには端末とクラウドサービス間の疎通確認も可能であることが魅力的でした。テストに際しては、 Microsoft 365 の特定の機能など、クラウドサービスの中で宛先を細かく指定して監視できる点も魅力でした。スナップショット機能なども総合的に加味して決めました」(五十嵐氏)

その際、同社が「ThousandEyes」導入のパートナーに選んだのが日立ソリューションズです。

「比較した2製品を取り扱っているのは、日立ソリューションズだけでした。両製品に精通しているうえ、導入実績が豊富な点も信頼できました。さらに、公平な視点で当社にとってのメリット・デメリットの比較資料を用意してくれたので、安心して選定できました」(五十嵐氏)

2023年9月から検討を始め、翌2024年初頭に採用を決定。ユーザー端末へのエージェント導入は同年6月、拠点への導入は10月に完了しました。

「拠点への導入では、日立ソリューションズの提案でNUCの採用を決めました。NUCであれば、拠点の引っ越しにも柔軟に対応が可能です」(五十嵐氏)

*NUC:Next Unit of Computing 据え置き型の超小型パソコン

効果

切り分け時間が4時間から30分に。従来の1/8の時間に短縮

西松建設は「ThousandEyes」の導入によって、多くの効果を得ています。同社のネットワーク環境の責任者として本社のみならず、支社、営業所、工事現場事務所など全国の約350拠点を見てきた五十嵐氏は、ネットワーク障害が起きた際のトラブルシューティングに多くの負荷がかかっていた「ThousandEyes」導入以前に比べ、大幅な負担減少を実感しています。

「どの端末からどのWANを経て、どのクラウドサービスへアクセスしているのかなど、エンドツーエンドで通信状態をリアルタイムで詳細に可視化できるようなりました。特にWANやクラウドサービスが原因でアクセス品質が低下した際、切り分けが即座に行えるのは大きいですね」(五十嵐氏)

拠点間の通信可視化だけではなく、トラブルシューティングの大半を占めていた切り分けの所要時間を大幅に短縮することができました。

「従来はキャリアへの問い合わせなどのやり取りで、先方からの回答待ちの時間を含めると、1件あたり少なくとも4時間は要していました。導入後の今は30分程度で済みます」(能井氏)

可視化によって、トラブル発生時のユーザーへのヒアリングも不要になりました。

「ユーザーもわれわれ管理部門も、症状の把握に労力と時間を割く必要がなくなりました。症状をリアルタイムでキャッチできるので、素早く的確に対処できます」(菅田氏)

ほかにもネットワークの運用管理業務全般について、五十嵐氏は「無線LANも例えばユーザーの拠点内での移動に際し、どのアクセスポイントに切り替えて使ったのかなどがログで確認でき、品質確保や障害対応が容易になりました」と大幅な効率化を実感しています。

展望

各拠点で自力解決可能な体制整備を構想

「ThousandEyes」の導入・活用を全面的に支援した日立ソリューションズへの評価を、「導入時は当社の環境に即した柔軟な設定、導入後は利用状況管理や定例報告会といったサポートなど、いつもわれわれに寄り添ってくれて非常に助かっています」と五十嵐氏は語ります。

今後は「ThousandEyes」の活用範囲を広げ、ネットワーク運用管理業務のさらなる最適化を狙います。「一例ですが、各拠点に通信状態が把握できるダッシュボードを導入し、各拠点のICT担当者がある程度までのトラブルには自力で対応できる体制整備を構想中です」(五十嵐氏)

この先の150年を見据える西松建設のビジネスを、日立ソリューションズはITの力で支えてまいります。

西松建設株式会社

所在地 東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 西松建設株式会社
創業 1874年(明治7年)
従業員数 2,892名(2024年3月末現在)
事業内容 建設事業、開発事業、不動産事業ほか
URL https://www.nishimatsu.co.jp/

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本事例の内容は2025年3月27日公開当時のものです。

最終更新日:2025年3月27日

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