PC自動シャットダウンシステムの導入事例
株式会社日立製作所様社員約3万人の多様な働き方を支え続ける新しい仕組みへ。リモートワーク下での労務管理の支援策としても効果を発揮
大手総合電機メーカーの日立製作所は、多様な働き方を支える最新のIT端末への刷新を進める中で、ユーザーが利用する既存環境の見直しを実施。社員約3万人に対し残業時間に応じたPC利用制限を行うシステムも対象となり、新たに日立ソリューションズの「PC自動シャットダウンシステム」を導入しました。勤怠管理と自動連携し、自らの勤務状況を適時に把握するための支援策としても貢献しています。
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背景
IT端末の進化に伴う新しい仕組みを再構築
清水 桂 氏
1910年の創業以来、「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念のもと、事業を通じてお客様と社会の発展に寄与してきた日立製作所。昨今は、気候変動や新型コロナウイルス感染症など、世界が複雑かつ深刻な課題に立ち向かう中で、最新のIT×OT×プロダクトを組み合わせて社会課題を解決する「社会イノベーション事業」を通じて、データとテクノロジーによるサステナブルな社会の実現と人々の幸せの両立に挑戦しています。
その実現に向けた取り組みの一つに、社会課題の解決に貢献する人財がイキイキと働ける環境づくりをめざし、時代の変化に合わせて進めてきた働き方改革があります。かねてより、多様化する働き方を最新のIT技術を駆使して支えてきた日立製作所では、リモートワークが当たり前になりつつある現状を踏まえ、勤務業態や業務内容に合わせた端末デバイスの展開をはじめ、オフィスと同等のセキュリティを担保して柔軟に業務を行えるような最新のPCを導入するなど、IT端末の刷新が進んでいます。
一方で、「IT技術の向上により端末が次々と進化していく中で、既存の仕組みについても必然的に、新しい環境に適したより付加価値の高いものへと再構築する必要が生じてきました」と清水氏が語るように、これまで社員の労務管理に利用されてきた、PCの利用を制限する仕組みも見直しの対象となりました。
取り組み
最新のIT資産への対応と勤怠管理との連携を重視
中山 弘之 氏
中山氏は、「既存システムに関して、機能面で不満があったわけではありません」と前置きしたうえで、「これまではシンクライアント端末の利用が中心であり、それらを管理する仕組みの中で、残業時間が一定値を超えたユーザーのPC利用を制限していました。全社的なIT環境の変革に伴い、既存の運用方法では対象外となってしまう端末が発生し、これらの端末にも同等に利用制限をかけられる運用が必要になってきたのです」と説明します。また、勤怠管理に利用しているスマートリシテアとPC利用制限の仕組みを連携し、スマートリシテアから対象者の情報を取り込む際に発生している手作業を排除したいという強い思いもありました。
こうした既存システムの改善・最新化にあたり中核となったのが、日立ソリューションズが提供する「PC自動シャットダウンシステム」です。検討のプロセスにおいては、スマートリシテアとの親和性の高さが大きなアドバンテージになったほか、新しいIT資産に対応できるシステムであること、安定稼働を実現できることを重視。さらには、「コスト効果や保守性の観点からパッケージ製品を選定するとなると、やはり同じ日立グループの製品としての信頼と安心感も決め手になりました」と清水氏は語ります。
社員約3万人を対象とした非常に大規模なプロジェクトであったため、導入にあたっては負荷テストや性能テストを入念に実施して本番稼働に臨みました。
「ボトルネックになりそうな設定の検討を慎重に行い、約1カ月をかけてシナリオやチェックリストを作成したうえでテストを実施しました。高い技術力を持った日立ソリューションズの担当者のおかげで、安心して進めることができました」と中山氏は振り返ります。
効果
勤務状況を踏まえてタイムリーに制限を適用
「PC自動シャットダウンシステム」をベースとした新システムよって、既存システムでは対象外となってしまっていた一部の端末にもPCの利用制限をかけられるようになっただけでなく、当初の狙いどおりスマートリシテアとの自動連携を実現。これにより、前日までの勤務状況に応じて、PC利用制限をタイムリーに適用することが可能となりました。また、PCログイン時に、PC利用制限の適用をユーザーあてに通知することで、その日の業務を就業時間内に終わらせるよう意識付けすることにもつながっています。
上司・部下間のコミュニケーションに加えて、「PC自動シャットダウンシステム」によるタイムリーな注意喚起を活用することで、リモートワークのような多様な働き方の中での労務管理も、より高い質で行うことが可能となっており、それは手作業の運用をなくしたこと以上の成果と言えそうです。
展望
グループ展開を見据えさらなる進化にも期待
柏井 優希 氏
今後、対象範囲をさらに広げ、グループ会社への展開も検討しているという同社。「グループ企業各社がそれぞれに抱えている課題を踏まえて、導入の必要性を丁寧に検討していきたいですね」と清水氏。また、柏井氏は、「めまぐるしく進化する端末への対応、多要素認証などのセキュリティ機能の強化、利用者の増加に伴う処理の軽量化など、『PC自動シャットダウンシステム』のさらなる進化にも期待しています」とグループ展開を見据えた展望を語ります。
日立製作所が長年取り組んできた「働き方改革を支えるIT基盤」は、時代の変化、IT技術の潮流をいち早く捉えながら、利用者にとっても管理者にとっても、より質の高い仕組みへさらなる変革を遂げようとしています。
多様なIT端末に対し利用制限の仕組みを提供
- 一般的なPCだけでなくセキュリティ要件を満たした最新のIT端末にも利用制限の仕組みを提供
- 勤怠管理システム「スマートリシテア」から「PC自動シャットダウンシステム」にPC利用制限対象者の情報を自動的に連携
- PC利用制限対象者には、PCへログインした時点で自動シャットダウンを予告するメッセージを表示
- 社員約3万人の利用を想定した負荷テストや性能テストを入念に行い、安定稼働を実現
株式会社日立製作所
所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目6番6号 | |
---|---|---|
設立 | 1920年2月1日 | |
従業員数 | 29,485名(2022年3月末現在) | |
事業内容 | モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITセクターにおける製品の開発、生産、販売、サービスなどの提供 | |
URL | https://www.hitachi.co.jp/ |
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本事例の内容は2023年3月24日公開当時のものです。
最終更新日:2023年3月24日