デジタルマーケティングソリューション
AIとマーケティングの掛け合わせでどのようなメリットが生まれる?
AIはマーケティングの世界でも広く活用されています。とくにマーケティングのアプローチ方法が変化し、ターゲットが細分化する中、顧客一人ひとりに適したマーケティングが重要になっています。大量のデータを学習して将来のニーズを予測し、有効な販促施策を レコメンドできるAIの役割は、ますます高まっているといえるでしょう。では、実際にマーケティングのどのような領域でAIが活躍しているのでしょうか。今回は、中でも「会員」という視点に注目し、その手法と事例を紹介します。
目次
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会員活性化支援AIソリューション
AIで有料会員増、来店・来場増、商品購買増を支援。
適切なターゲティングと販促施策で、マーケティングコストを最適化!
AIは会員ビジネスに関わるマーケティングと相性がよい
スマートフォンが普及し、ソーシャルメディアやEコマース利用も当たり前になった現在、マーケティング施策にも変化が求められています。中でも、従来のように「マス(大衆、集合)」を相手にするのではなく、「パーソナル(個人、一人ひとり)」へのアプローチに意識を変化させることが重要です。
そもそも販促の目的とは、端的にいえば売上の向上です。今回テーマに設定した「会員」という視点で見ると、売上アップを実現するために「来店・来場の促進」「商品などの販売向上」「会員の優良化・離脱防止」などが主な目的となるでしょう。会員制サービスを実施している販売店やサービス事業者であれば、販促に向けて、会員情報(属性や会員ランク)、購買情報、行動情報(来店・来場履歴)といったデータを活用できます。 ところがマーケティング部門では、顧客管理システムで大量かつ多様に蓄積したデータをいかに扱い、そこから販促に効果的な施策をどう見出していけばいいのか悩んでいるという現実があります。人力で分析しようとしても、それぞれの情報を関連させ、有効な施策を見つけるにはスキルやノウハウが必要となりますし、当然ですが時間と労力もかかるでしょう。
そこで注目したいのが、AIの活用です。多種多様なデータの相関関係を学習したAIであれば、顧客個人の購買行動をスコアとして定量的に出力し、一人ひとりの属性や会員ランク、購買履歴、来店・来場履歴などに基づいた販促施策を提案してくれます。さらにはその施策の実施結果をAIに取り込むことで、提案精度の向上につなげることもできます。もちろんAIは過去のデータがなければ分析できませんが、データの蓄積が十分にあるならすぐにでも活用することが可能です。
AIを活用することでマーケティングにどのようなメリットがあるのか
それでは具体的に、AIを活用するとどのような予測を立てることができ、会員に対してどういった施策を提案できるのでしょうか。 まずは会員ランクのアップ・ダウン予測です。会員制サービスの多くでは、会員ランクに応じたセール、ポイント付与を実施しています。ランクが高い会員は今後も売上アップに寄与する可能性が高いため、会員ごとのランクアップ・ダウン予測のスコアリングは重要な作業になります。
AIを使うことで、実施する販促施策による会員数の増減を予測できます。たとえば有料会員の年会費を上げた場合、あるいは有料会員向けクーポンの割引率を上げた場合などの会員数増減効果をシミュレーションできるわけです。予測ができたら、それをもとに有料会員増加やステータスアップに向けた個別の施策を打つことも可能になるでしょう。
店舗やイベントサービス、スポーツ興行、テーマパークなどでは、来店・来場者予測が重要です。AIを活用すれば、各営業日の来店・来場者の全体数はもちろん、各会員の来店・来場確率も予測できます。これにより客層も予測でき、「客層に合わせた品揃えやイベント内容を用意して機会損失を防ぐ」「適切な人員配置でサービスを向上する」といった施策が考えられます。日ごとの来場者数予測から「来場者が少ないと予測される日に集中的に案内メールを配信する」ことも可能でしょう。これらは販促コストの集中化による削減、人員をはじめとする資源の効率利用にもつながります。
また、購買履歴から適切な商品をレコメンドする使い方はすでに一般的ですが、購買意欲をより高めるため、クーポン、ポイントアップなど各施策を実施した場合の会員個々の反応をAIで予測し、その結果を実際に適用するという方法もあります。これは購買率を効果的に上げられるのはもちろん、適切な売上予測をもとにした費用対効果のシミュレーションも可能にします。
一方、リピーターを抱えている場合や継続課金体系を導入している場合、会員の離脱は収益に悪影響を及ぼします。これもAIで会員個々の離脱確率を分析してスコア化し、その結果をもとに、解約しそうな会員に対して重点的な販促活動を行えます。 そのほかAIとマーケティングの組み合わせでは、営業で有望な訪問先を予測したり、ダイナミックプライシングで最適な価格を予測したりといった活用も可能です。
会員ビジネス向けマーケティングにAIを導入した成功事例
AIをマーケティングに導入して成功している事例をいくつか見ていきましょう。 会員制事業を行うある企業では、今年度までの会員情報をはじめとしたデータから、来年度の会員ランクをAIで予測し、有望な会員を選出することで、販促施策の対象をターゲティングしています。これにより無料会員の多くを有料会員に移行できたのに加え、販促施策の費用対効果も向上できたといいます。
また、ファンクラブを運営するある事業者では、顧客管理システムに蓄積している会員のチケット・グッズの購買履歴やコンサート・イベントへの来場履歴をAIで分析し、購入や来場の傾向を予測。会員ごとに効果的な施策をレコメンドし、有料会員の増加などに役立てています。有料会員が増えることで年会費収入が増えるのはもちろん、購入・来場傾向分析によってチケットやグッズの売上アップにも効果があり、効率のよい販促を実現しています。
一方、あるサービス業者では提携クレジットカードへの入会促進でAIを活用しています。やはり顧客管理システムに蓄積した会員データをもとに予測を行うことで、入会が見込める会員に対して重点的に施策を実施しています。AIによってターゲットを絞り込み、入会促進のための販促コストを減らしながらカード会員を増やしているのに加え、施策の実施成果をAIに反映し、予測精度のさらなる向上にも取り組んでいます。
まとめ
会員ビジネスに縁の深い業種でAIとマーケティングを組み合わせることにより、会員獲得による会費などの収入アップ、購買や来場行動を促すことによる売上アップ、収益悪化を防ぐ解約の防止、さらにはさまざまな施策を効果的・効率的に行えることによるコスト削減など、多くのメリットが期待できます。
顧客管理システムにデータを蓄積している企業は、マーケティングにおけるAI活用に目を向けてみてはいかがでしょうか。
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