デジタルマーケティングソリューション
セルフサービスBIとは? セルフサービスBIで身近になったデータ分析
BIツールは1990年代から普及を始め、2000年前後にERP(統合基幹業務システム)が登場したのをきっかけに複数システムからのデータ取得が容易になったことで、多くの企業でBIの導入が進みました。
とはいえ当初のBIは仕組みが複雑で設計・構築・運用が難しく、一般社員を含めた全社規模ではなかなか活用されていませんでした。しかし最近は操作が簡単で、まさに誰もが利用できるBIが登場し、データ分析が身近になっています。
目次
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Tableau 導入事例紹介
Tableau 導入事例のご紹介です。
利用が広がらなかった当初のBI
データ活用時代の幕開けとして2000年頃から普及してきた従来型のBIを「エンタープライズBI」と呼びます。エンタープライズBIは経営戦略の策定支援をメインとするもので、さまざまな分析機能が自動化されていたとはいえ、データ抽出の基となる企業内の各システム(データベース)との連携や、データの加工・集計・分析・出力に至る操作がかなり複雑だったのです。そのため、データの知識がない社員にはほとんど利用されず、主に情報システム部門やデータサイエンティスト、データアナリストといった専門家のみに使われてきたのが実情です。
ところが時代の流れの中で、企業活動におけるデータの重要性が指摘されるようになり、昨今はデータ分析のニーズが飛躍的に増してきました。専門家ではない一般社員でも利用可能な、まさに“誰もが使える”BIに対する需要が高まってきたのです。 そこで登場したのが「セルフサービスBI」です。
“誰もが使える”セルフサービスBI
セルフサービスBIは、ITに関する高度な知識やスキルを持たない現場のエンドユーザーでも簡単に操作できることをめざして開発されました。プログラムや関数に関する特別な知識がなくても、画面上で手軽に扱えるインターフェースを備えているのが特徴です。従来のエンタープライズBIでは数値の追加やグラフのちょっとした修正にも専門的な知識が必要で、IT部門などに頼る必要がありましたが、セルフサービスBIならExcelや他の一般的なアプリに近い感覚で操作できるようになっています。
これにより、営業やマーケティングの現場にいる社員がデータの確認や追加・修正、レポート作成などを簡単に行えるようになりました。経営層や情シス部門、データの専門家だけでなく、まさに現場の一線で活躍するスタッフも必要なときにBIへアクセスできるようになり、データ分析と活用が身近になったわけです。
最近のセルフサービスBIはさらに進化し、会社のパソコンからだけでなく、スマートフォン、タブレットといったモバイルデバイスからアクセスできるものも登場しています。スマートフォンの普及はいうまでもなく急激に進み、いまやモバイルデバイスからのアクセスに対するニーズが大きくなってきたことがその理由です。モバイル対応のセルフサービスBIであれば、外出先からレポートを気軽に閲覧・追加・修正することができます。また、エンタープライズBIとセルフサービスBIの長所を組み合わせたハイブリッドBIも登場しています。
セルフサービスBIの代表的ツール
セルフサービスBIの中でトップクラスのシェアを持つ「Tableau」を例に、セルフサービスBIの特徴をさらに詳しく見ていきましょう。
「Tableau」は、連携した既存システム(データベース)のデータ抽出から分析、さらに分析結果の可視化(レポート提出)まで、ドラッグ&ドロップを中心とした直感的な操作で手軽に実行できるようになっています。データの可視化については必要な項目を選択していくだけで、適切なグラフ形式を自動的に適用してくれるほか、地図上へのマッピングなど多彩なビジュアル化機能を持っており、データ資産を簡単に“見える化”できます。モバイルデバイスからのデータ参照や編集などにも対応しています。
豊富なサンプルをデータ分析の際の参考にできるほか、データ抽出のための導入設計、稼働のための設計・構築・運用、ダッシュボードなどの開発に関する導入メニューも用意され、インストール後は短時間で利用を始められます。ITに関する知見がなくても、IT部門のサポートなしでデータを扱えるため、まさに“誰もが使える”セルフサービスBIになっています。「Tableau」の場合はさらに、分析結果をチームで共有し、コメントのやり取りなどでアイデア創造を支援する機能も搭載しています。
「Tableau」に代表されるセルフサービスBIは、ここまで見てきたように誰もが手軽に使える簡便性を備えているので、専門的知識を持つ社員はいないながらデータ活用を進めたい企業や、エンドユーザー主導でデータドリブンを推進したい企業、現場のデータ活用でコラボレーションを刺激しイノベーション創造につなげたい企業、意思決定を従来よりさらに迅速に行いたい企業などで利用されています。一方、“誰もが使える”ようになった半面として、より徹底したデータガバナンスが求められる部分もある点には注意したいところです。
導入に向けた不安を解消するサービスも
セルフサービスBIの登場によって導入が一段と用意になったBIツールですが、とはいえ導入に向けてはハードルを感じている企業がまだ多いようです。また、BIを一度は導入したものの、うまく活用できずに悩んでいる企業も見られます。
そんなときに便利に利用できるのが、日立ソリューションズが提供する「BIコンシェルジェサービス」です。同サービスではBIの導入に際してユーザー企業の要望に応じた最適なシステム選定を行い、選定したシステムの性能や使い勝手をあらかじめ確認することができます。既存BIの見直しについても利用状況などを診断ツールで評価し、改善策の提案を行っています。データウェアハウス(DWH)やデータ収集ツールなどとの組み合わせも含めたトータルな選定・評価・診断サービスにより、データをもとにした意思決定の迅速化や各種施策への活用を考えている企業をサポートします。
まとめ
企業内に蓄積された膨大なデータを活用するためのツールとして登場したBIですが、当初のエンタープライズBIは設計・構築・運用に専門的知識とスキルが必要であったため、ユーザーは情報システム部門やIT・データ専門家といった一部に限られていました。
しかしここで見てきたように、ITやデータに精通していない一般社員でも簡単に扱えるセルフサービスBIが登場したことで、企業のデータ資産の活用がさらに容易になっています。
BIを導入し、データドリブンを実現してビジネスのさらなる発展を勝ち取りたいと考えるなら、これを機会にBIが持つさまざまな可能性に着目してみてはいかがでしょうか。
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