デジタルマーケティングソリューション
顧客ロイヤルティとは?顧客ロイヤルティ向上施策&事例を徹底解説!
前回はカスタマーエクスペリエンス(CX)についてご紹介しました。今回は、このCXと深い関連のある、「顧客ロイヤルティ」にスポットを当ててみます。
顧客が特定のブランドの商品やサービスに愛着や信頼を感じることを「顧客ロイヤルティ」といいます。同じジャンルに多様な商品・サービスが存在する現在、ライバルの中から自社プロダクトを選び取ってもらうには、顧客ロイヤルティの向上がきわめて重要になっています。
では顧客ロイヤルティを高めるには、どのようにすればよいのでしょうか? 顧客ロイヤルティとは何か、その効果、顧客ロイヤルティ向上施策について、ご紹介します。
目次
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顧客ロイヤルティとは?
機能も価格帯も同レベルなのに、いつも同じブランドの商品を選んでしまう……これは多くの人にとって身近な経験です。あるいは、価格は他社製品より明らかに高いのに、やっぱり常に同じブランドを購入するという人もいることでしょう。
このように、特定の企業やブランドに愛着や信頼、親しみを感じることを「顧客ロイヤルティ」と呼びます(「顧客ロイヤリティ」ということもあります)。ロイヤルティは英語の「Loyalty」で、もともとは忠誠心を表す言葉です。
実店舗やオンラインショップを見渡せば、同じような機能を提供する商品が山のように並んでいます。とりわけ現在はインターネットが普及し、多彩なネットショッピングサイトで好みの商品を自在に買える時代ですから、他社製品との差別化は困難になっています。特定の企業やブランドにロイヤルティを持っていない顧客、あるいはロイヤルティが低い顧客は、その中から時に応じて異なる商品を選び、購入することでしょう。そこで自社のプロダクトが選ばれる可能性もありますが、逆にいえば競合他社の製品群の中に埋もれてしまう可能性もあるわけです。
一方、ロイヤルティが高い顧客であれば、他社製品には目もくれず、常に自社の製品を購入してくれます。このように、ロイヤルティが高い顧客は、特定企業・同一ブランドの商品を継続して購入する傾向が明らかに見られます。顧客ロイヤルティが高い顧客は、要はその企業やブランドのファンなのです。
顧客ロイヤルティが注目される背景
かつてマーケティングの世界では「顧客満足度」(CS)という考え方がもてはやされていました。当時の企業は、顧客がその商品に満足したかどうかをまず重視していたのです。
ところが、商品に対する満足度さえ高ければ、次もまたその商品を購入してもらえるとは限りません。たとえば、購入後のサポート体制が悪かった場合、「次も買おう」と思うでしょうか? 商品満足度は当然重要なのですが、それだけでは足りないわけです。
そこで登場したのが、一回一回の購入行動や商品に対する満足度だけでなく、愛着、信頼、親近感を覚えてくれるかどうか、という部分に視点を置いた顧客ロイヤルティの考え方です。
前述のように、顧客ロイヤルティが高い客は、次回も同じ商品を購入してくれる確率が高い傾向がさまざまな調査で明らかになっています。また、購入した商品の周辺商品や関連商品についても、他ブランドではなく同じブランドで固めようという意識が強まります。そこで企業はマーケティングの重要な要素として、顧客ロイヤルティ向上に力を入れるようになったのです。
顧客ロイヤルティの向上によるメリット
顧客ロイヤルティを高めることで、どのような効果を期待できるのでしょうか。まず、ここまで書いたようにリピート率が高まります。特に消耗品の場合は同じ商品を、家電製品などの場合は同じブランドの新製品を繰り返し購入する確率が高くなるのです。同ジャンルで他社の魅力的な製品が登場し、迷うことがあっても「やっぱりこのブランドが信頼できるから」という理由で継続購入につながる可能性が考えられます。またサービスの場合は、更新時期がきても解約せず、継続して契約する確率が高まります。いわゆる“乗り換え”を減らせるわけです。
また、顧客1人あたりの購入単価アップも期待できます。あるブランドの商品が気に入ったら、次は同じブランドのより高級な製品を購入したり、同ブランドの関連商品を同時に購入したり、あるいは購入頻度が増える傾向も見られます。一回あたりの購入金額の向上だけでなく、頻度が増えることで年間あたりの購入金額も高まる可能性があります。
さらには、SNSなどによる口コミ効果も考えられます。商品やブランド自体の良さをSNSで発信したり、購入に悩んでいる人がいたら「このブランドがいいよ」と自発的に宣伝してくれる場合もあります。その結果、別の顧客のロイヤルティを高めるなどの、波及効果も生みだします。マーケティングの世界では、新規顧客の獲得には既存顧客を維持するコストの5倍かかるといわれますが、優良顧客(ロイヤルカスタマー)を多く獲得すれば波及効果で新規顧客を呼び寄せることが可能になり、そのぶんマーケティングコストを削減できるメリットもあります。
このほか、商品やブランドに愛着を持つユーザーから貴重な意見をもらい、魅力的な新商品・サービスの開発につなげられるケースもあります。
顧客ロイヤルティを高めるための施策
それでは、顧客ロイヤルティを向上させるには実際にどのような施策を実行すればいいのでしょうか。
何より重要なのは、顧客の声をきちんと把握することです。顧客ロイヤルティは基本的にユーザー心理の問題であるため、数値を考慮せずに定性的な対応のみを考えてしまうかもしれません。しかし顧客がなぜロイヤルティを感じてくれているのかについては、データをもとに定量的に把握する必要があります。
そのため、アンケートなどで顧客の声を集めた上で、商品やブランドの推奨者の割合から批判者の割合を引いて計算するNPS(ネットプロモータースコア)、あるいは再利用したい人の数やユーザーの感動を測る感動指数といった指標を用い、顧客ロイヤルティを数値化します。
顧客の声から現状を把握したら、次は企業それぞれのビジネススタイルに応じて、どういった要素が収益に結びつくのかを割り出します。顧客に関するさまざまなデータを分析し、効果的な施策を行うためのKPIを設定します。
その上で、顧客との接点を見極め、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験価値)を高める施策を実行し、問題点があれば改善するなどして、顧客ロイヤルティの向上に努めます。たとえばサポート体制の充実や購入に至るプロセスの改善、あるいはお得なポイントを付与するキャンペーン、優良顧客を囲い込む会員プログラムの実施などが考えられます。会員制システムやポイントプログラムの導入により、「安く買える」「特別枠で買える」といった「お得感」「特別感」をユーザーに提供し、商品のリピート購入やサービスの継続利用につなげた事例が数多くあります。
同時に、顧客一人ひとりにパーソナライズしたマーケティングアプローチである「One to
Oneマーケティング」に結びつけることも重要でしょう。顧客ロイヤルティを継続させるには、顧客の期待をさらに超える体験を提供することも必要なのです。
もちろん、さまざまな施策を実行したあとは、効果測定を行い、それをもとにPDCAを回す仕組みを作り上げることも大切です。
それでは、次に顧客ロイヤルティ向上の具体的な成功事例を見ていきましょう。
顧客ロイヤルティを向上させた成功事例
■顧客ロイヤルティ成功事例①:株式会社ヤクルト球団
株式会社ヤクルト球団では、チケット販売システムの刷新(球団公式チケット販売サイト「スワチケ」の構築)に合わせて、ファンビジネス向けトータルCRMソリューションの「Fan-Life Platform」を導入。
チケット販売システムにおいては、CRMソリューションから得られるチケットの購入動向データを分析することで、ファンクラブ会員向けの割引きや先行販売が可能になったほか、個別に座席指定ができるようになり、ファンの細かな観戦ニーズにも対応できるようになりました。
あわせて、ファンクラブ限定のサービスとして、デジタルガイドブックの提供、応援選手の登録とその活躍によるポイント付与などの新機能をリリース。試合以外でも球団とファンとの間にコミュニケーションを発生させ、エンゲージメントの強化を図っています。Fan-Life Platformの導入によって実現したこれらの施策により、「スワチケ」の売上は目標を数百パーセントというレベルで上回り、ファンクラブ会員募集への反応も格段に良化しました。
■顧客ロイヤルティ成功事例②:株式会社ポニーキャニオン
株式会社ポニーキャニオンは、アニメ専門通販サイト「きゃにめ」のリニューアルにあたって、ファンビジネス向けトータルCRMソリューションの「Fan-Life Platform」と、ポイント管理ソリューション「PointInfinity SaaS版」を採用しています。
Fan-Life Platformは、会員の属性情報や行動情報の分析・見える化や、会員専用のマイページの生成などを容易にしてくれるCMSソリューションです。これにより、ポニーキャニオンでは、会員専用マイページの提供はもちろん、有料会員限定のコンテンツ配信、さらには会員の特性に合わせたメルマガ配信、キャンペーンの実施などが可能になりました。
さらに、PointInfinity SaaS版ポイントシステムを導入し、商品購入時のポイント付与のほか、オリジナルグッズとポイントとの交換などのキャンペーンも実現可能に。会員制ビジネスのキモともいえる、エンゲージメントの強化、ロイヤルカスタマーの育成をスピーディーに行える環境が整い、効果的なデジタルマーケティング施策の立案・実施がスタートしています。
まとめ
顧客のリピーター化、顧客ロイヤルティの向上、さらにはそこから派生した新規顧客獲得とブランドイメージ向上のために、いますぐれたカスタマーエクスペリエンスの提供が求められています。
MA、DMP、CMSといったツールを使って顧客にまつわるあらゆるデータを活かし、そこから得られた知見や気づきをもとにして、カスタマーエクスペリエンス向上に効果的なOne to Oneマーケティングを展開することが重要です。
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