デジタルマーケティングソリューション
【専門家コラム】データサイエンティストが語る、企業が顧客分析を行うのに必要なものとは何か
パソコン、スマートフォンの普及や情報処理技術の発達によりマーケティングにおける「顧客データ」の重要度が高まっています。蓄積されたデータを適切に活用し、経済活動につなげていくことが企業には求められています。
そこで、蓄積されたデータを分析し、そこから新しい価値を見出すのが「データサイエンティスト」の役割です。今回は日立ソリューションズのデータサイエンティストである矢田と高久が、データサイエンティストの現場目線で顧客分析についてお話します。
株式会社日立ソリューションズ
デジタルソリューション第2部 第2グループ
主任技師
矢田 智揮
日立認定データサイエンティスト(ゴールド)
入社後、研究部門でセキュリティ(暗号)、クラウド、ビッグデータに関する研究開発に従事。
現在は、事業部門で製造業、流通小売業の顧客に対し、AIを活用したデータ分析コンサルティング、データ分析システム構築・運用を通じて顧客業務の高度化を支援。
また、自社データ分析ソリューションの企画・推進に努める。
株式会社日立ソリューションズ
デジタルソリューション第2部 第2グループ
技師
高久 大輔
日立認定データサイエンティスト(シルバー)
入社後、多数の情報系システム(DWH・BI)の構築プロジェクトに従事。
現在はマーケティング分野を中心に、流通・金融・エンタメなど多岐に渡る業界のAI/機械学習を利用したデータ分析やデータ利活用の支援を行っている。
目次
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デジタルマーケティングソリューション PointInfinity
「会員管理システム」、「ポイント管理システム」にデジタルマーケティング機能を統合。
魅力的な会員プログラム、ポイントプログラムの構築から、運営で収集した情報を活用したAIによるレコメンド、効果測定などマーケティングのプロセスをトータルに支援することで、エンゲージメント向上を実現します。
データサイエンティストの業務とは?求められる能力とは何?
ビジネス課題をもとにデータを分析し、その結果を読み解くことで解決に導く仕事
データサイエンティストが行っている業務を簡単にまとめると、「お客さまが持っている業務やビジネスの課題を関連するデータの分析を行い、分析結果を読み解くことでその課題を解決に導く」のが私たちの仕事だと考えています。
たとえばマーケティング部門にいるお客さまであれば、「売り上げを伸ばしたい」「会員におすすめ商品を提示したい」「キャンペーンの施策を考えたい」といった課題を抱えています。そこで、過去に各購買層がどのような商品を購入しているのか、会員の個人の年齢や性別、趣味・嗜好の特徴などといったデータ情報をもとに分析します。そして「〇〇といった購買層には、こういった特性の商品を送ると売上が上がる可能性が高い」といったようなマーケティングの施策を打つための仮説を導き出し、お客さまに提供しているのです。
データを企業が「使える」まで落とし込む力が求められる
「ビッグデータ」「データサイエンス」といったキーワードが台頭してきた当初は、お客さまにお試し案件として「とりあえずデータ分析をしてみてください」と言われることが多々ありました。
ですが現在のデータサイエンティストは、データを分析するだけでなく、分析して得られた知見を業務や施策に落とし込み、企業が「使える」ようにするまでに具体化させていく力が求められています。
課題抽出や解決までのプロセス提案なども業務のうち
また、データサイエンティストの業務内容は多岐に渡ります。データを分析するだけでなく、ヒアリングによる課題の抽出や可視化、仮説立案、解決までのプロセス提案、効果検証などもデータサイエンティストの業務のうちです。素早く実現可能な最適解を見つけ出し実行していく人材こそ、優秀なデータサイエンティストと言えるのです。
データサイエンティストが多数在籍している日立ソリューションズの強みとは?
日立ソリューションズの強み①:プロのデータサイエンティストを育成する仕組みが整っている
日立ソリューションズには、しっかりと育成されたデータサイエンティストが多数在籍しているのが強みです。たとえば、データに基づいた企業の意思決定を導けるデータサイエンティストを育成するため、スキル要件や育成プログラムを体系化しています。さらに日立ITプロフェッショナル認定制度を設け、一般社団法人データサイエンティスト協会の定義をベースに育成された人材を揃えています。
日立ソリューションズの強み②:システム開発・運用会社としてデータ分析結果をシステムに落とし込むことができる
データ分析の結果を成果につなげるためには業務、施策に落とし込むことが重要です。その際に、システムの新規構築と変更、機能の追加などが求められることがあります。日立ソリューションズでは、SIerである強みを生かし、ITのプロとしての知見に基づいた実現可能な方式をご提案しています。
日立ソリューションズの強み③:会員・ポイント分析に必要なあらゆるソリューションを提供している
さらに日立ソリューションズでは会員管理、ポイント管理のソリューションを提供しており豊富な導入実績から、会員・ポイントを中心としたマーケティング関連の分析を得意としています。
特に、現状分析、施策のターゲティング、優良顧客化、離反顧客の予測など幅広いテーマでの分析の実績を持っています。また、AIの適用ノウハウをテンプレート化し、会員分析に特化したAIソリューション「PointInfinity AI分析」というサービスを提供しています。「PointInfinity AI分析」は、PointInfinityをご利用のお客さまに限らず、簡単にAIを用いた商品レコメンドと離反顧客の予測ができるようなサービスです。
データサイエンティストを活用した顧客分析を成功させるために、企業は何を意識するべき?
顧客分析はトライ&エラーの繰り返しであるという認識を持つ
データ分析において、もっとも重要なのは分析から得られた知見をもとに施策を実行した後にその結果を定量的に評価することです。また、分析結果から施策を実行した場合に一度で成果まで繋がるケースは多くありません。そのため、実際はトライ&エラーを繰り返していくことになります。顧客分析に取り組む企業には、顧客分析を単発の施策ではなく継続的なプロセスであると認識していただきたいです。実際はトライ&エラーを繰り返していくことになるので、顧客分析を実施していきたい企業にはそのような意識を持ってもらう必要があります。
企業は課題の整理が求められる
では、企業はマーケティングにおける課題解決の成功率を高めるために、何をすべきなのでしょうか。それは、企業自身が課題を整理し「何をしていきたいか」を明確にさせることです。
冒頭で申し上げた通り、分析の目的は、データサイエンスの活用によりお客さまの事業推進上の課題をを解決することにあります。よって、データサイエンティストの仕事もお客さまのビジネス理解と課題の共有から始まります。自社の課題整理、問題点の抽出は、通常お客さま主体で実施いただきますが、私たちがお客さまと一緒に課題の整理からご支援することもできます。
また、データ分析には、必要なデータがそろっていることが必須条件となります。顧客分析であれば、顧客に関連する情報が適切に蓄積されている必要があります。そのため、事前にお客さまにて自社に蓄積されているデータの整理が行われていればデータ分析はスムーズに遂行できます。こちらも、私たちが企業内のデータ整理、データ収集/蓄積管理するシステムの導入・運用までご支援することができます。
デジタルマーケティングは「個」に刺さるように大きく進化している
ここ数年で、マーケティングは大きく変化しています。個人がSNSなどで自由に情報を発信、取得できるような社会になりました。マスマーケティングからダイレクトマーケティングが重要視される時代です。
個を適切に分析するデータサイエンティスト、顧客一人ひとりのニーズに応えるデジタルマーケティングは、現代のビジネスにおいて必要不可欠です。データサイエンティストを自社で育成する企業も増えていますが、不足しているまたは自社で育成することが難しいというお客さまはぜひ私たち外部のプロフェッショナルに相談することも検討してみてください。
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