デジタルマーケティングソリューション
デジタルマーケティング戦略の立案方法【基本編】
マーケティング戦略の目標達成の手法としてよく見聞きする「デジタルマーケティング」は、今の時代に欠かせないマーケティング手法だといえます。しかし、SNSで商品情報を投稿したり、公式サイトの情報を充実させたり、ダイレクトメールを配信するなど、やみくもにチャネルを増やすだけでは、十分な成果を得ることはできません。
デジタルマーケティングを効果的に活用するためには、導入前にきちんと戦略を立てることが重要になります。まずは、デジタルマーケティング戦略の基本から学んでいきましょう。
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One to One(1to1)のコミュニケーションを実現するために必要な機能を備えたBtoC向けマーケティングオートメーションツール。Emailはもちろん、お客さまを起点としたマルチチャネルでの対応や複雑なカスタマージャーニーも簡単な操作で設定できます。
デジタルマーケティング戦略立案の基本的な流れ
すでにデジタルマーケティングに着手している企業も多いですが、その効果が見えない、費用ばかりかかって思ったほどの実績があがらないという悩みも聞かれます。
デジタルマーケティングでは店舗、イベント、DM、SNS、Webサイト、ECサイトなど広がったチャネルをつなげて効果的に機能させることが大切です。
チャネルを横断して収集・蓄積した顧客データを一元化させることで、顧客の行動が見えるようになるからです。その上で、顧客への最適なアプローチをおこなっていきます。
1. 目的の明確化
デジタルマーケティング戦略の第一歩は、ゴールを明確化することです。活動を通してどのような成果を得るかを定義します。
ゴールの設定は、具体的に定義する必要があります。対象となる製品・サービスを設定し、そのマーケティング活動全般において、デジタルマーケティングがどのような役割を果たすかを定義し、その成果を測る指標と数値目標を決めます。例えば、「LTVを10%増加させる」「新規顧客数を20%増やす」などです。
2. STPの定義
STPとは、「セグメンテーション(市場細分化)」「ターゲティング(市場の決定)」「ポジショニング(自社の立ち位置)」の3つの頭文字を取って名付けられたマーケティング用語です。
市場細分化により、理想的な顧客像と現実の購買客とを近づけるため、市場全体のうち自分たちの顧客の想定人数や特性、ライフスタイルなどをセグメントごとに分類していきます。
そして、採算性の高いと思われる市場を決定し、他社と比較して自社の立ち位置を決めて、優位性を明確化することです。
3. カスタマージャーニーマップ作成
商品やサービスと出会った顧客が、実際に購買するまでの行動や心理状態を旅(ジャーニー)に例えたものがカスタマージャーニーです。カスタマージャーニーを作成するアプローチとして消費行動モデルが使われます。
AIDMA、AISAS、SIPSなど消費環境の変化に伴いさまざまな行動モデルが登場しています。自社の製品・サービス、実行する施策に合わせて適切な行動モデルを選ぶかことが重要です。カスタマージャーニーマップの作成を通して、顧客にどのような行動を取ってもらい、どのような態度変容を経てゴールに繋げるか。また、そのためには、顧客とどのようなチャネルでどのようなコミュニケーションを行うかを設計します。
デジタルマーケティングでは、特にデジタルとリアルを横断する顧客の行動を捉え、チャネルを横断したカスタマージャーニーマップを作成することが求められます。
4. KPI設定
カスタマージャーニーマップから施策を展開した場合に、施策を評価するKPIを設定します。KPIを設定することで、各施策の効果を測定するとともに、OODA※などの運用サイクルを通して、各施策の改善を継続的に行います。ここまでが、デジタルマーケティング戦略設計の基本的な流れですが、実行に繋げるためには、運用サイクルを回すための社内体制の構築、関係部署との調整、ツールの整備などの展開計画も必要となります。
※注:OODAとは、状況に応じて意思決定を行うための手法で、状況を見ながら未来を予測して、今後の行動を決定して実行する行動のこと。
デジタルマーケティング担当者が押さえるべき戦略
上記の戦略策定を行った後、デジタルマーケティングの担当者は、さらに「時間軸」「ターゲット」「ユーザーの行動パターン」の3つに注意しながら、データを分析してその結果を元に具現化をしていきます。
「時間軸」については、トレンドカレンダーや自社データにより、季節や曜日、時間帯を中心に、ゴールデンウィークやお盆、正月といった休暇シーズン、旅行に適した行楽シーズンなど、顧客が受けるさまざまなトレンドやイベント、時間の影響を考慮します。
また、「ターゲット」は、性別や年代のほか、会社員なのか自営業なのか、既婚や未婚、子どもの有無など、細かな属性から分析します。合わせて、「ユーザーの行動パターン」をデジタルコンテンツへの記事別アクセス数やサイト内でのページ推移、直帰率などを確認して、戦略に反映させることが必要です。
デジタルマーケティング戦略のトレンド
続いて、デジタルマーケティングトレンドをご紹介します。
モバイル最適化
WebサイトやECサイトをスマートフォンに対応したり、アプリの提供をしたりすることで、いつでもどこでもアクセスできて顧客を呼び込めるようにモバイル最適化を推進しています。また、単なるコンテンツのスマートフォン対応だけではなく、モバイル会員証やクーポンアプリなどのサービスの利便性向上や位置情報を活用したプッシュ通知などによる顧客の行動に合わせたプロモーションなど活用シーンが広がっています。
アドテクノロジー
インターネット広告に関するもので、リスティング広告やリターゲティングなどが関係します。インターネット上のユーザー閲覧行動をもとに、最適なターゲット層へ広告を配信する仕組みです。効果測定がしやすく、費用対効果を把握しやすいことが特長です。また、3rd Partyデータを活用することで、自社と接触のない顧客に対してもターゲットを絞ってアプローチできます。
ソーシャルメディアマーケティング
「共感」を主軸に、FacebookやTwitter、Instagramなどに自社のSNS上のペルソナを設定し、ファンを獲得していく手法です。また、単なるプロモーション手段だけではなく、SNSからの注文や問い合わせ対応など顧客サービスの基盤としてもSNSが活用されています。
チャットボット・Web接客
Webサイト、ECサイトで店舗などと同じように接客をすることで、顧客の体験価値を上げます。顧客が困ったときに、気軽に相談できたり、顧客のサイト内の行動や顧客属性に合わせて、「何かお困りですか?」などと自動的に話しかけたりすることで、顧客をサポートしたり、商品をおすすめしたりします。
動画マーケティング
動画サイトの普及、モバイル環境の向上により、動画コンテンツを活用できる環境が整いました。動画により、商品やサービスのストーリーを視聴覚的に訴えられ、多量の情報発信が可能となる動画は、若い世代を中心に親和性の高い手法となっています。
ウェアラブル
Apple Watchやメガネ型デバイスGoogle Glassいった普段身につけている端末を活用することで、消費者は意図的に情報アクセスすることなく広告と接近します。顧客と企業との壁を取り去ったマーケティングが実現します。
VR(バーチャルリアリティ)
VRを可能にするヘッドセットを着用し、仮想空間で極めてリアルな映像感覚体験が実現します。オンライン上でリアルに近い体験を提供することで、顧客の体験価値を向上できます。観光地の体験、住宅の内覧、スポーツ観戦などで活用されています。また、リアルな店舗でも自動車の試乗体験にVRを活用するという事例も出ています。旅行業界なら世界中をVRで観光したり、自動車業界なら店舗を訪れることなく試乗体験ができたり、これまでより視覚情報を使って、購買意欲を刺激します。
今後のデジタルマーケティングが進む未来
デジタルマーケティングは、これから加速度的な進化を遂げると予想されます。対面でセールスを受ける手法は減少し、Webを通して時間や場所にとらわれることなく商品やブランドに触れるデジタルなコミュニケーションが増加するでしょう。また、AIが社会に浸透していき、細やかな顧客のニーズを満足させるコミュニケーションが可能となります。そして、「自己実現」や「評価」「承認」といった顧客の潜在的ニーズを捉える「マーケティング4.0」が一般化していくでしょう。
まとめ
デジタルマーケティングでは、闇雲にPRや商品告知を行うのではなく、ターゲットとなる消費者の嗜好や属性に寄り添った戦略を立てることが重要となります。そのため目的からデータ分析、目標設定までセグメントやストーリー、カスタマージャーニーマップの観点から戦略を立案していく必要があります。
また、担当者は必ず顧客を取り巻く時間軸、ターゲット、ユーザーの行動パターンからマーケティング手法を組み立てていくようにします。今後、デジタルマーケティング戦略は一層顧客の生活に入り込み、マーケティングそのものがライフスタイルと一体化する新たな時代へと突入することでしょう。
Salesforce Marketing Cloud Engagement
日立ソリューションズでは、デジタルマーケティングを実現するためのマーケティングオートメーションツールとしてSalesforce Marketing Cloud Engagementの導入サービスを提供しております。また、ツールの導入だけではなく、顧客との最適なコミュニケーションを実現するために、カスタマージャーニーを一緒に作る「カスタマージャーニーワークショップ」というサービスも提供しております。
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