デジタルマーケティングソリューション
他社成功事例から学ぶオムニチャネルマーケティング
前回はオムニチャネルに関する基本的な概念やメリット、戦略成功のために必要な準備などを解説してきました。お客さまの生活スタイルの変化により、マーケティング手法も時代に合わせた対応が求められていくことが理解できたでしょう。 オムニチャネルの成功例は海外に多く見られますが、日本国内の企業にもオムニチャネルによるマーケティング戦略を行い、実際に成功を収めているものもあります。
今回はオムニチャネルの成功事例を挙げながら、オムニチャネルマーケティングを始めた理由や成功に至るまでのプロセスを紐解いていきます。
目次
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デジタルマーケティングソリューション PointInfinity
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オムニチャネル化をした主な国内企業
日本国内でオムニチャネルマーケティングを推し進め、成功した企業として、イオン、無印良品、東急百貨店、プロスポーツではオリックス・バファローズなどが挙げられます。
その多くがスマートフォンアプリを独自に開発したり、FacebookやTwitterといったSNSと連携したりしています。IT技術を利用したうえで、新たなチャネル(お客さまとの接点)から実際の消費行動につなげている点が特徴と言えるでしょう。
それでは、オムニチャネル化の具体的な成功事例を見ていきましょう。
■オムニチャネルの国内成功事例①:イオン
イオンでは、チャネルとなるスマートフォンアプリを活用したオムニチャネル化を進めています。そのアプリの特長と言えるのが、売り場に設置されている商品POPやチラシをアプリ起動で読み込ませることで、その商品を使ったレシピが提案されるというものです。
これにより、実店舗への誘導と、ひとつの商品への興味から複数点数の商品の購入につなげています。
また、実店舗においてタブレット端末を設置しており、店舗にて取り扱いのない商品のお取り寄せと代金の精算、配送の手続きまで行える仕組みも作られています。
■オムニチャネルの国内成功事例②:無印良品
良品計画が運営している無印良品では、スマートフォンアプリ「MUJI Passport」をリリースしてオムニチャネル化を成功させています。このアプリに搭載されているのは、店舗検索や在庫検索などの機能。
特にお客さまの心を掴んだのが、マイルと呼ばれるポイントを貯められポイントプログラムです。レジでの会計時にアプリ起動によって表示されるバーコードを読み込むだけで、ポイントが反映されます。
また、ポイント(マイル)によって会員ランクとボーナスポイントが付与。さらに誕生日月などにはリマインドとポイントプレゼントが提供されるなど、アプリひとつで顧客管理と在庫管理、そしてファンを作ることまでが一元管理されるという仕組みです。
何より、お客さまの立場から見ても手軽な点が、多くのお客さまのアプリ利用と実店舗への誘導に繋がった要因と言えるでしょう。
■オムニチャネルの国内成功事例③:オリックス・バファローズ
近年、テレビの野球中継は視聴率が右肩下がりの状況です。野球ファンであれば、地上波で観戦できる野球中継が減ったことはご存知かもしれません。しかしその一方、オリックス・バファローズはスタジアムの観客動員数が、ここまでぐんぐん伸びてきているのです。
オリックス・バファローズがオムニチャネルマーケティングの戦略として掲げたのは、「野球で感動を」+「サービスで感動をサポート」=「ファンの感動を最大化」するというファン増加を目標にした施策でした。そのベースとなるのは、お客さまである「ファン」と球場(スタジアム)、チーム・選手(球団)であり、球団と球場の一体経営に当たったのです。これはファンによる「チケット収入」と「物販収入」に、相乗効果から好循環が生まれる全体最適の視点といえます。
オリックス・バファローズはオムニチャネル化の以前も、ファンクラブやイベントの開催、ダイレクトメールなどの広報活動を行っていました。しかし、各部門がそれぞれ独立して施策を打っており、相乗効果の好循環が生まれない状況となっていたのです。 そこでファンクラブやチケット販売、会場・店舗、ECサイトでのお客さまの行動をデータとして、一元管理する仕組みを導入。各部門のシステム・データを最大限有効活用し、めざす業務モデルで足りない部分の補完と結合を行いました。
すべてのサービスにおける購買履歴を紐付けて把握することで、見えない真実に気付くことができ、施策も変化していきます。また、お客さまの消費行動の捉え方も変化していったようですチャネルを横断したお客さまの行動を捉えることで、施策の効果を定量的に測定し、次の施策へと活かしています。
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成功事例から見るオムニチャネルマーケティングに必要なこと
国内におけるオムニチャネルマーケティングの成功事例を見てきましたが、成功のために必要なことはPDCAを回す仕組みづくりと言えるでしょう。
・現状把握
・仮説立案
・施策実施
・仮説の再検討
つまり、これらPDCAを繰り返していくことにあります。
また、IT技術を利用してお客さまのデータを一元化し、消費行動を一連の流れとして「見えるようにする」こと。くわえて、仮説からの施策結果として、いかにお客さまを企業のファンにできるかも重要となってくるかもしれません。
まとめ
SNSとの連携やスマートフォンアプリの利用、お客さまのデータの一元化など。このようにIT技術を利用したチャネルの増加と消費行動の「見える化」が、オムニチャネルマーケティングにおいてとても重要です。
しかしこうした戦略は、一朝一夕で成功に繋がるというものではありません。長い時間をかけて繰り返された仮説立案と施策が実を結び、結果を生み出すものだと言えます。
特に、SNSをはじめとしたデジタルとの関わりが急速に深くなったことによる消費行動の変化を、いかに上手く実店舗への誘導につなげていくのか。そのアイデアと必要な分析、施策、再構築といったPDCAの繰り返しによって、オムニチャネル化が成果をあげていくでしょう。
お客さまがブランドを作る。あるいは、お客さまにファンになっていただくことで、さらなるファンを呼び込む。このようなお客さまを中心としたマーケティングを行い、施策を繰り返していくことが、オムニチャネルマーケティングの戦略において重要なポイントです。
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