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第25回 リモートアクセスとは一体なに?仕組みや種類、特徴をわかりやすく解説
第25回 リモートアクセスとは一体なに?仕組みや種類、特徴をわかりやすく解説

働き方改革や新型コロナウイルスのまん延によって、出社をせずに業務を行うテレワークが浸透してきています。それに伴い注目をされているのがリモートアクセスですが、一口にリモートアクセスと言っても、接続方法によってさまざまな種類があることをご存知でしょうか?
ここではリモートアクセスの種類や、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
目次
リモートアクセスとは一体なに?
リモートアクセスとは、自宅やサテライトオフィス、カフェなど、社外で使用しているPCやスマホから、社内ネットワークや社内に設置しているPCに遠隔接続することです。たとえば、自宅でテレワークをする際に、社内システムにアクセスしなければ業務に必要な資料が入手できないというケースがあります。そういった場合に、リモートアクセスが必要になるのです。逆に考えると、このリモートアクセスを導入し、うまく活用すれば、多様な働き方を実現することができるため、採用の幅を広げることも可能です。また、生産性向上という点においても有効な方法のひとつです。
リモートアクセスの代表的な方法とその仕組みとは?
リモートアクセスには「VPN(Virtual Private Network)」「リモートアクセスサービス」「セキュアブラウザー」「API接続」という4つの代表的な方法があります。いずれも遠隔地から社内にアクセスするための方法ですが、接続するための仕組みが異なります。リモートアクセスを導入する際に、どれが自社に合っているのかを知るためにも、その違いを理解しておきましょう。
方法① VPN(Virtual Private Network)
VPN(Virtual Private Network)は、日本語では「仮想専用通信網」と呼ばれており、VPNを使ってインターネットに接続することをVPN接続と言います。VPNは特定の人だけが接続できるようにすることができます。「仮想」と付いているとおり、物理的な専用通信網を実際に張り巡らせるわけではなく、共用回線を専用回線のように利用できるのがVPNです。もう少し詳しく説明すると、VPNには「トンネリング」という技術が使われています。データをやり取りする拠点の間に、第三者には見えない仮想的なトンネルをつくることで、クローズドなネットワークを構築します。
方法② リモートデスクトップ
リモートデスクトップとは、リモートアクセスサービスの一種で、自宅やカフェといった場所で使用しているPCなどのデバイスから、インターネット回線を介して社内のPCにアクセスして、遠隔操作できるようにする方法のことです。仕組みとしては、インターネットを通じて、社外で使用しているデバイス(クライアント)から社内にあるPC(ホスト)に対してキーボードやマウスの入力情報を送り、逆にホストからクライアントにはホストのデスクトップ画面を送ることで、遠隔地にいながら社内にあるPCを直接操作するというものです。そのため、リモートデスクトップは「画面転送」と呼ばれることもあります。有名なものとしてはGoogleが提供しているChromeデスクトップや、Windows10に搭載されているリモートデスクトップ機能がこれに該当します。一般的には、ホスト側で「コンピュータ名」「ユーザー名」「パスワード」を設定しておき、クライアント側でそれらを入力することで接続が可能になります。難しい知識も不要で、比較的容易に利用することができます。また、セキュリティ対策として上記のVPNと併用されるケースもあります。
方法③ セキュアブラウザー
セキュアブラウザーとは、インターネットの脅威から身を守るための、さまざまな機能を備えたブラウザーのことです。一般的なブラウザーが持つ基本機能に加えて、不正アクセスや情報漏洩を防止するためのセキュリティ機能を搭載しており、これをリモートアクセスに活用することができます。セキュアブラウザーの種類によっても異なりますが、「ウェブサイトへのアクセス制限する」「ファイルのアップロードやダウンロード制限する」「データをデバイスに残さない」といった機能を備えたものがあります。特に近年は社内システムがウェブシステム化されているケースも多く、セキュアブラウザーで操作することができます。また、クラウドサービスにもアクセスすることができるほか、ブラウザーを利用するためのデバイスの種類やOSを問わず、WindowsやMac、Android、iOSなどのさまざまなデバイスで利用することができるという特徴があります。
方法④ API接続
まずAPIとは「Application Programming Interface」の略語です。ソフトウェアの一部をウェブ上に公開することで、第三者が開発したソフトウェアとつなげるようにし、機能を拡張する仕組みのことです。外部連携がしやすくなるため、さまざまなITサービスが提供されている今、SNSなど身近なところでも活用されています。このAPIを活用することによって、リモートアクセスも可能になります。APIによって、社内はもちろん社外からでも、クラウド上で提供されているアプリケーションに直接アクセスして操作することができます。サーバーやネットワークへの負荷が少なく、操作性に優れているところが特徴として挙げられます。
リモートアクセスのメリットとデメリットを徹底比較
ここからは上記4つの方法について、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。
VPN(Virtual Private Network)
まずはVPNのメリットですが、既存の社内システムやメールサーバーを利用できるなど、社内にいるのと同じように業務を行うことができます。またトンネリングによって、安全な通信経路を確保することができます。ただし、ウイルスに感染したデバイスを使ってVPNから社内ネットワークに接続してしまった場合、社内ネットワーク全体に感染が広がる恐れがあるなど、セキュリティ対策が万全とまでは言えません。
デメリットは、VPNの種類や機器によって通信速度が遅くなりやすい傾向があります。また高速通信を行えるように設備を整えようとすると、コストがかかるほか、導入までに時間も必要になります。また、ウイルスに感染したデバイスを使ってVPNから社内ネットワークに接続してしまった場合、社内ネットワーク全体に感染が広がる恐れがあるなど、セキュリティ対策が万全とまでは言えません。
リモートデスクトップ
次にリモートデスクトップについてですが、上記のとおりWindowsにもともと搭載されているものなど、無料で使えるツールがあるため、コストを抑えられることと導入のしやすさがメリットと言えるでしょう。また、社内PCをそのまま遠隔操作するだけなので新たな知識も必要なく、今までどおりに業務ができるところもメリットです。
デメリットとしては、セキュリティ面です。自宅やモバイルなど、通信経路の安全性が確保されていない場合には、情報漏洩のリスクが高くなります。リモートデスクトップとVPNを組み合わせるか、セキュリティ対策機能を備えたツールを選ぶ必要があります。
セキュアブラウザー
一般的なブラウザーでは、履歴やキャッシュ、ダウンロードしたファイルがデバイスに残ってしまいますが、セキュアブラウザーではそういったデータをデバイスに残さずに利用できるので、デバイスを紛失した際の情報漏洩がない点がメリットです。また管理者側でアクセスできるアプリケーションやウェブサイトなどを制限できるため、データの管理がしやすいほか、セキュリティ対策にもなります。
デメリットとしては、ブラウザー上で操作可能なシステムやアプリケーションに限られてしまうので、社内にいるのとまったく同じように業務を行うのは難しいと言えるでしょう。
API接続
API接続でリモートアクセスを実現するメリットは、導入が比較的容易なことです。APIを公開しているアプリケーションであれば簡単に連携ができ、機能をどんどん拡張していくことができます。またクラウドサーバーにアクセスするため、VPNのようにネットワークに負荷がかからないところもポイントです。
デメリットとしては、対応しているクラウドサービスしか利用できない点と、それぞれのデバイスに分散したデータを管理する必要があることが挙げられます。
なお、4つの方法についてメリットとデメリットを分かりやすくまとめると、以下の表のようになります。
VPN | リモート デスクトップ |
セキュア ブラウザー |
API 接続 |
|
---|---|---|---|---|
コスト | △ | ◎ | ○ | ○ |
導入期間 | △ | ◎ | ○ | ○ |
セキュリティ | ○ | △ | ◎ | △ |
アクセスの自由度 | ○ | ○ | △ | △ |
拡張性 | ○ | △ | × | ◎ |
リモートアクセスの活用なら日立ソリューションズにお任せください
日立ソリューションズでは、リモートアクセスを実現するための方法として、「仮想デスクトップ導入ソリューション」を提供しています。
一番大きな特長としては、情報漏洩のリスクの低減です。テレワーク環境において、従業員がスマホやタブレットなどのデバイスを紛失してしまうというケースは珍しくなく、それによる情報漏洩のリスクを看過することはできません。仮想デスクトップ導入ソリューションでは、リモートワークをする従業員が自宅やカフェでデバイスを操作すると、サーバーの仮想マシンがOSやアプリケーションを実行。デバイスには画面出力イメージだけを転送します。つまり、実データがデバイスに残ることがなく、紛失したとしても情報漏洩する心配がありません。
またPCだけではなく、iOSやAndroidのスマートフォン・タブレットに対応しているため、移動中などの隙間時間にも社内にいるとの同じ環境で業務を行うことができます。
さらにリモートワーク体制の運用や管理を行う、情報システム担当者などにとってのメリットもあります。パッチやアプリケーションの配布などの作業を、デバイス一つひとつに行う必要がなく、仮想マシンが集約されたサーバーに対して行うだけで完了できるため、業務負担が大幅に軽減されます。
仮想デスクトップ導入ソリューションは、安全なリモートワークと企業の生産性向上に貢献します。
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まとめ
快適で安全なリモートアクセスを実現し、多様な働き方ができる環境を整えることは、これからの社会で企業として成長できるかどうかに関わる重要なポイントです。
本コラムで紹介したとおり、リモートアクセスにはさまざまな手段があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。また業務内容やワークフローによっても、相性のよいものとそうでないものがあるため、VPN、リモートデスクトップ、セキュアブラウザー、API接続のそれぞれの特性を理解することが大切です。特にどのようにセキュリティを高めるかは十分に検討しましょう。
- ※本コラム記載の情報は2022年12月時点のものです。
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