無線LANの技術
無線LANのチャンネル
無線LAN(Wi-Fi)の設定で使用する「チャンネル」とは、テレビのチャンネルのようなもので、無線LANを使用する上で、通常はアクセスポイント毎に1つ1つ設定が必要です。チャンネルはそれぞれ重ならないように設計が必要となります。「チャネル」とも言います。
Aruba製品は、アクセスポイントのチャンネルおよび電波の出力レベルの自動調整機能が有り、面倒な設計/作業が不要です。そのため管理者の負荷を低減することが可能です。
各周波数帯のチャンネル一覧は以下のとおりです。
IEEE802.11b/g/n/ax (2.4GHz)の チャンネル一覧
チャンネル | 周波数 | 屋外での利用 |
---|---|---|
1 | 2412MHz | 2401-2423 |
2 | 2417MHz | 2406-2428 |
3 | 2422MHz | 2411-2433 |
4 | 2427MHz | 2416-2438 |
5 | 2432MHz | 2421-2443 |
6 | 2437MHz | 2426-2448 |
7 | 2442MHz | 2431-2453 |
8 | 2447MHz | 2436-2458 |
9 | 2452MHz | 2441-2463 |
10 | 2457MHz | 2446-2468 |
11 | 2462MHz | 2451-2473 |
12 | 2467MHz | 2456-2478 |
13 | 2472MHz | 2461-2483 |
14 | 2484MHz | 2473-2495 |
2.4Ghz帯の周波数帯は、日本国内で利用できるチャンネル数が14個ですが、1つのチャンネル幅が規格上22Mhzであるため、11b/gで干渉なしで通信できる最大チャンネル数は4個です。
チャンネル設計としては、1ch・6ch・11ch・14chですが、14chに対応しない機器も多く、その場合、チャンネル数は3個です。
規格より狭いチャンネル幅で通信し、1ch・5ch・9ch・13chの計4チャンネル同時利用を行える機種もあります。
IEEE802.11aに使用されているチャンネルは、従来から日本国内で使用されてきたものから、国際的に標準なものへと変更された際に、識別をし易いよう、英字と数字を組み合わせた規格が定められました。
規格の記号の割り当て方に関する詳細は、以下のとおりです。
「J」:旧来の日本国内規格
「W」:国際標準準拠規格
数字:中心周波数 (例:X52の「52」は中心周波数が5.2GHz)
IEEE802.11a/n/ac/ax
(5GHz)の チャンネル一覧
規格 | チャンネル | 周波数帯域 | 屋外での利用 | 備考 |
---|---|---|---|---|
J52 | 34,38,42,46ch | 5.2GHz帯 (5150-5250MHz) |
× | 従来から使用されていたチャンネル |
W52 | 36,40,44,48ch | 5.2GHz帯 (5150-5250MHz) |
× | |
W53 | 52,56,60,64ch | 5.3GHz帯 (5250-5350MHz) |
× | 気象レーダとの干渉を避けることが義務付けられているため、干渉を検出した場合に回避動作を行います。場合によっては通信の途絶などが起こり得るため、注意が必要。 |
W56 | 100,104,108, 112,116,120, 124,128,132, 136,140,144ch |
5.6GHz帯 (5470-5725MHz) |
○ |
IEEE802.11a/ac/ax(5.2GHz、5.3GHz)の屋外での使用は電波法により禁じられていますが、2007年1月の省令改正では、屋外で利用可能な11チャンネル(W56)が追加になり、新5GHz帯のチャンネル数は合計19チャンネルに増加、2019年7月にW56規格に144chが追加され20チャンネルに増加しました。
11n/ac/axの無線LAN規格では、チャネルボンディングという技術を採用することで、無線LANの通信速度の向上を行っています。
チャネルボンディングとは、複数のチャンネルを束ねる技術です。
従来のIEEE802.11a/b/gでは、1つのチャンネルが使用する帯域は20MHzですが、IEEE802.11nでは隣接する2つの20MHzチャンネルを束ね、40MHzで通信することにより、2倍以上の伝送速度を実現しています。
さらに、IEEE802.11ac/axにおいては、より多くのチャンネルのボンディングに対応しています。