帳簿、決算・取引書類保存の電子化で業務効率の向上へ
~インボイス制度への効率的な対応~
インボイス制度への対応の考え方
2022年10月18日
株式会社ビジネスブレイン太田昭和
アカウンティング・コンサル本部 CPA室
インボイス制度への対応の考え方
インボイス制度の適用が来年2023年10月に迫っています。 「来年だから、まだ大丈夫」という声も聞きますが、ある企業での適用プロジェクトのスケジュール表をご覧ください。
図1.インボイス制度 導入スケジュール表(サンプル)
システムの改修が必要になることから、来年2023年10月まで、決してゆとりのあるスケジュールではないことがわかると思います。
インボイス制度対応では、法要件を理解し、対応を検討することが必要です。例えば、「請求書の端数処理が定義されていますが、EDIだったらどうなるのか」、「媒介者特例などの特殊な取引についてはその適用範囲はどこまでか、またどの様に対応をするのか」等々を検討する必要があります。
次に、こうした法要件の解釈を行い、対応方針を定めたら、それで準備ができたといえるのでしょうか?
インボイス制度では、仕入税額控除の要件が厳しくなります。仕入税額控除の要件が厳しくなるということは、対応を誤ると納税額が増える可能性が高くなるということです。また、要件に対応しようとすれば、業務の負荷が増えることになります。 例えば、適格請求書発行事業者番号の確認をしたり、端数調整が適正になされているかを確認したりする必要があるといわれています。 このように、法要件に対応するためには、人を増やしたり残業を増やしたりするなど業務負荷が増える可能性が高いといえます。
そこで、インボイス制度への対応にあたっては、業務を効率化していく必要があります。
では、どのようにしたら効率化できるでしょうか?
現在、消費税法上、請求書などは原則として紙で発行する必要があります。インボイス制度が施行されると、消費税法上、電子データでの発行・交付が可能となります。 そこで、電子インボイスの導入により、請求書発行業務のシステム化(既存のシステムの改修を抑えることにもつながります)や、請求書受領後の入力・照合などの自動化が期待できます。また、ペーパーレス化により、業務のスピードアップも見込まれます。
以下に現在の請求書受領・発行業務をベースに、インボイス制度に対応した場合、さらに電子インボイスの導入によって効率化を図った場合、それぞれの業務量の比較イメージを記載します。
図2.業務フロー比較(請求書等発行側)
インボイス制度への対応では、単に法要件に対応するだけではなく、こうした業務の効率化を図っていく必要があります。いかに煩雑な作業をシステム化していくかを検討する必要があるのです。
来年2023年10月まで、業務のシステム化などの進捗状況によっては、準備期間が十分あるとは言えなくなっているかもしれません。
上記について、まだ検討を始めていないのであれば、今すぐ検討を始めてみてはいかがでしょうか?
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日立ソリューションズは、電子インボイスも含めた新システムに必要な要件を整理し、RFPとして必要な成果物の作成を支援します。
個別システムを前提としたシステム化コンサルティングとは異なり業務とシステムの両方の整備を行いお客さまのあるべき姿を描きます。