DX推進の妨げとなるサイロ化したシステム運用の解決策とは
~求められるハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境の運用~

更新日:2022年7月15日

DXを推進するために、ITシステムのクラウドシフトが加速しています。クラウド環境ですべての情報を同じように管理できれば運用の負荷やコストは軽減されますが、実際の運用を考えるとセキュリティの観点などから、すべてクラウド化することができない現状があります。煩雑な運用を解決するためには、オンプレミスの基幹システムや複数のクラウドのサービスが混在する環境で、それぞれ運用するのではなく、ハイブリッドクラウド環境を統合管理することで効率的な運用をめざすことができます。
本セミナーでは、運用管理のクラウド化をテーマに、日立グループが考えるこれからの運用管理と、ハイブリッドクラウド・マルチクラウドにより煩雑になりがちな運用を効率化するヒントを紹介しました。

開催概要

日 時:2022年4月19日
会 場:WEBセミナー
主 催:株式会社日立ソリューションズ

日立グループが考えるこれからの運用管理
~サイロ化した運用管理の統合~

01

サイロ化した従来型システム運用が、DX推進の壁となっています。オンプレの基幹システム、クラウドにリフト・シフトするシステム、SaaSサービスを含めて、ハイブリッドな環境の運用管理を統合して、効率化を実現するソリューションについて紹介されました。

株式会社日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部
クラウドマネージドサービス本部 運用管理プラットフォーム部
部長 吉田 雅年 氏

クラウドなどの統合管理がビジネスの大きな課題

このセッションでは、サイロ化したシステムの運用統合の必要性が説明されました。調査会社によるIT市場の投資額推移のデータでは、従来型ITがクラウドマイグレーションする流れが加速していくことが示されています。さらに、事業拡大のためのDXや、ビッグデータなどを駆使したデータ駆動型システムも増えると予測されています。
「運用の側面からは、従来のオンプレに加えクラウドの運用も視野に入れなければいけません。加えて、新たに加わるDX・データ駆動型システムも運用する必要があり、どう統合的に管理するかが、大きな課題です」(吉田氏)。

新たなビジネス価値を生むDX・データ駆動型システムへ

経済産業省のレポートでは、DXに力を入れたいと考える一方で、既存のシステムの保守・運用が、DX推進の足かせだと感じる企業が多いことが指摘されています。その原因は、既存システムの保守や運用が属人化してしまい、効率化するのが難しいこと、もしくはコストの面から見たときに、IT投資のかなりの割合を、保守・運用費が占めていることです。既存システムが、DXに力を注ぐことや、DXのための体制づくりの高いハードルになっています。
「下図は、横軸が時間軸で、縦軸が運用すべきシステムの種類を表しています。従来のオンプレのシステムが徐々にクラウドにリフト、シフトしていっています。さらに、新たなビジネス価値を生み出すDX・データ駆動型システムが評価フェーズから本番運用フェーズに移行してきており、このような流れが今後も進んでいくでしょう」(吉田氏)。

ITシステムの変化

サイロ化、属人化を解消 システムをまたいで運用共通化

こういった傾向の中で、オンプレやクラウドについて、保守・運用などのサイロ化、属人化をどう解消するかが大きな課題となります。また、DX・データ駆動型システムに関しては、従来のシステムとは異なり、いかに速く、スピード感をもってアジャイル的にビジネス価値をつくり出せるかが重要となってきます。さらに、どのような種類のシステムであっても、企業としてガバナンス確保や品質確保は絶対に必要となります。これらをどうシステム横断で運用、統制していくかが課題となります。
システムごとに個別に運用を設計して、体制を立ち上げ運用を回すのでは、新たなシステムが増えていく中で、運用がサイロ化して足かせになる状況は変えられません。その課題を解くためには、システムの運用は、共通部分をきちんと共通化していくことが重要となります。今後は、運用の設計、体制はもちろん、システムをまたがり運用を共通化していく仕組みが必要となります。

継続的な共通化を進める考え方と仕組みが重要

ただし、一気にすべての運用を共通化するのは難しく、共通化を継続的に進める仕組みが必要です。ワークフローなどの運用のプロセス、運用を自動化するための仕組み、システム横断でガバナンスを確保するための仕組みなどを段階的に導入し、運用を共通化していくことが求められます。
「日立グループでは、こういった考え方に基づき、運用を継続的に共通化していくためのソリューションや、製品、サービスを多くご提供していますので、本日はそのご紹介をさせていただきます」(吉田氏)と語られました。

日立が考える「運用管理の統合」

全体最適化という観点から幅広く 運用ソリューションメニューを提供

【日立ソリューションズセッション】

株式会社日立ソリューションズ
運用管理システム本部 クラウド運用管理ソリューション部
部長 疋田 哉

続いて日立ソリューションズが考える、システム運用管理について紹介されました。「DXを支えるシステムの安定稼働から、企業の競争力向上へ貢献することが、当社が考える運用管理の推進です。当社のシステム運用管理ソリューションは、状況に合わせてデジタル化、自動化を推進。最終的にはAI活用など、段階的にシステム運用の効率化、省力化を推進できます。また、システム運用面では、管理や分析、監視、実行支援など、運用ソリューションを、広くトータルでカバー。全体最適化の観点でご支援していきます」(疋田)。
当日のセッションでは、JP1やAlkira、AppDynamicsなどについて、クラウドの運用管理、全体最適化などの観点で紹介されました。

システム管理ソリューション・サービス一覧1

ホワイトペーパー第1弾
「DX推進の妨げとなるシステム運用の解決策~運用管理のデジタル化を徹底解説~」

システム運用管理のデジタル化を妨げる課題から解決策、これからの運用管理の在り方をホワイトペーパーにまとめました。日立ソリューションズが提供する「システム運用管理ソリューション」が、情報システム部門における課題解決の一手を担います。

ホワイトペーパー第3弾
「ハイブリッド・マルチクラウド環境の運用管理における重要な5つのポイント」

オンプレミス×クラウドのハイブリッド化やマルチクラウド化が進む昨今、複雑化するITシステムの「真の統合運用管理」において、押さえておくべき重要なポイントをホワイトペーパーに纏めました。

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