日立ソリューションズ（代表執行役　執行役社長　小川健夫、本社：東京都品川区）は、指の静脈パターンを利用して本人を認証する指静脈認証システム「静紋（じょうもん）」の認証サーバーを開発、12月22日より出荷を開始いたします。「静紋」の認証サーバーは、指の静脈パターンを一元的に管理することでお客様の導入・運用作業を軽減し、運用管理コスト低減を実現いたします。

本人認証の一般的なものとして、パスワードやカードによる認証があります。しかし、それらは他人に盗用されたり、また安易な貸し借りなどによって他人による「なりすまし」が可能です。そこで厳密な本人認証を実現するためには、本人の体の一部を使った認証、すなわち生体認証(バイオメトリクス)がもっとも信頼性の高い認証と考えられており、現在、急速に普及しております。日立ソリューションズでは、株式会社日立製作所の中央研究所が開発した指の静脈パターンを用いる生体認証技術を用いて、PCのログインやネットワークアクセス管理者用途向けの認証システム「静紋」を開発し、2003年より販売を開始しております。

2005年6月からは認証システムの小型化を実現した「静紋J200」を提供してまいりました。指静脈認証は偽造が困難な身体内部の静脈パターンを使用しているため、優れた認証精度を発揮します。
また、読み取る部分が非接触型なので認証時の不快感や心理的抵抗を感じることなくご使用になれるのが特徴です。

このたび販売を開始する「静紋」の認証サーバーでは、これまでクライアントPCごとの設定が必要であった「静紋」の認証情報(静脈のパターン、ユーザー情報など)を管理端末(登録用PC)から登録し、サーバー側で一元管理いたします。
これにより、利用者の認証情報登録やログ情報取得などの運用管理におけるシステム管理者の作業負担を大幅に軽減いたします。
「静紋」の認証サーバーは大中規模な利用環境において「静紋」を用いた強固な認証を求めるお客様に対して、簡単な導入作業で、強固なセキュリティ環境を実現することが可能となります。
また、Windowsログインの認証強化に加え、Webアプリケーションに「静紋」による認証機能を組み込むことができます。これにより、業務Webシステムの認証強化も実現いたします。

今後も、日立ソリューションズでは、認証サーバーなどの「静紋」関連ソリューションを積極的に展開してまいります。また、株式会社日立製作所と共同で、指静脈認証装置のモジュール化を行い、認証サーバー機能と合せてオフィス内外のさまざまな分野へ適用を図り、指静脈認証技術を高セキュリティ生体認証システムのデファクトスタンダードにすることをめざしていきます。

• 「静紋」の認証サーバー側で認証情報の一元管理を実現いたします。これにより、導入作業、人事異動などの運用管理コストを大幅に低減できます。
• 静脈パターンなどの認証情報は、通信経路、サーバー上でも暗号化されて管理されます。盗聴などによる認証情報の漏洩を防ぐことができます。
• Webアプリケーション用のAPI（プログラム上の手続を規定した規約）を提供しているため、Web上で利用する業務アプリケーションと連携し、認証強化を実現できます。HTML画面で「静紋」を使用するためのクライアントプログラムとSOAP(※)インターフェースを提供します。
  (※)SOAP：Simple Object Access Protocol。XMLとHTTPなどをベースとした、他のコンピュータにあるデータやサービスを呼び出すためのプロトコル(通信規約)。

(1)ユーザー登録

(2)Windowsログオン認証

(3)Webアプリケーションログイン認証

(*)本価格は、ソフトウェア費用のみとなります（ハードウェア費用は含みません）。

2005年12月22日

(※)クライアントPCにて、静紋認証に強化されたWebアプリケーションを使用する場合に必要です。また、登録PCにも必要です。

• 指静脈認証装置「静紋」は、指内部の静脈パターンを人体に安全な近赤外線で撮影・画像処理して認証する日立ソリューションズの製品です。
• 「静紋」は日立ソリューションズの登録商標です。