RPAエンジニアの育て方~実際に効果のあった方法をご紹介~

RPAの導入プロジェクトの成功とは何でしょうか。それは、多くのRPAが社内で利用されて、削減時間などの定量的効果と属人的作業を無くすなどの定性的効果が得られることです。そのためには、RPAロボットを生み出す開発者を多く用意することが必要です。特に業務知識がある現場のメンバーがRPAを開発できるようになると、業務要件の整理やITベンダーとのコミュニケーションにおけるコストカットが可能なため、より効果的な開発が可能になります。
しかし、社内で開発者を育成するためにRPAの開発トレーニングを受講させても、RPA開発が上手く進まないケースが多くみられます。
今回は、育てた開発者が実際にRPAを開発できるようになるための方法について紹介します。

受講させて放置していませんか?大切なのはトレーニング終了後のサポート!

RPAに限らず、初心者に対して新しいことを教える場合ははまず基礎的な内容を教えます。例えば英語であればアルファベットを覚えて、基本の5文型を学びます。PRAのトレーニングも同じように、RPAとは何かということから始まり、各ツールの操作画面の説明、そして各コマンドの動きを体験してもらうことがメインとなります。このようなトレニーニングは、初心者がRPA開発の第一歩目を踏み出すことができるという面では、大変効果的です。一方で、多くの方が受講できるように平準化された内容になるので、実際の業務をRPA化するための実践的なカリキュラムとは言えません。
そのため、トレーニングを受けた後にRPA開発に取り組もうとしても、自社の業務に沿った実践的な内容を学んでいないため、さまざまな問題にぶつかることになります。特に業務部門のメンバーがRPA開発を担当する場合、 ITのバックグラウンドがないためうまく問題を解決することができず、開発が進まないことが少なくありません。そして、サポート体制の不十分さで一度開発を諦めたRPA開発者が再度、開発に取り組むことはほとんどありません。したがって、トレーニングを終えて実際に開発に取り組む段階に入ってからのサポートが重要であると言えます。

RPAエンジニアのための2種類のサポート窓口を設置しよう

サポートの方法として効果的なのは、RPA開発時の悩みを解決するための開発者サポート窓口を設置することです。相談する場所があることは、開発者の心理的負担を軽減することにもつながります。では、問い合わせ先のメーリングリストを周知すれば良いかというと、そうではありません。
業務部門のメンバーのRPA開発における悩みは多岐に渡ります。何から始めたらいいか分からないという悩みもあれば、この細かいところが実装できないという小さな悩みもあります。解決したい悩みの大きさに合わせて、打合せを設定する場合もあれば、チャットで簡単に聞いてしまう場合もあるでしょう。そのため、1つのメール問い合わせ先を用意するのではなく、悩みの大きさに応じて2種類のサポート窓口を用意していただくことをお勧めします。そうすることで、気軽に聞ける場所を開発者へ提供することもでき、また対応者側のオペレーションも限定しやすくなり、対応時間の短縮につながります。

① なんでも相談窓口

RPA開発者が悩む最初のポイントは、「何から始めたらいいか分からない」です。RPA開発者に選出される方の多くは対象業務となるルーティンワークの従事者です。その従事者はプログラム開発の経験がないことがほとんどです。そのため、RPA開発のスタートを切ることができない、または不安に思い、スタートを躊躇(ちゅうちょ)してしまうこともあります。
そのような方のために、RPAに関することはなんでも相談できる窓口を設置することが良いです。開発者の課題が分からないため、オンサイト・オフサイト問わず会議を設定すると効果的です。毎週時間枠を決めて来てもらえるようにしておくと良いです。
サポートする方は、開発者に道筋を作るサポートをします。例えば、「対象業務のどこからRPA化するべきか」という悩みに対しては、難易度や効果を判断して、開発にとりかかる範囲や複雑なロジックを先に教えておくなど、開発者の今後のアクションを決めて、課題を解決します。

② 問い合わせ窓口

開発者が自身の課題を理解した場合は、1問1答で対応する窓口で対応することが効果的です。例えば、コマンドの使い方や、この業務を実現する場合にどちらのコマンドを使うべきかなどの問い合わせです。メーリングリストで問い合わせを受け付けることでも良いですが、問い合わせ内容が過不足ないよう入力フォームの窓口を設置したほうが良いです。また、早く回答できるようにチャットベースで対応することが望ましいです。さらに、問い合わせが増えた場合、管理が煩雑となるため、問い合わせ管理ができるとより良いです。多くの問い合わせ者に素早くする窓口を設置して、多くの開発者の悩みを解決します。

サポート窓口の対応者を用意しよう

サポート窓口を設置すると決めたら、窓口の対応者を用意する必要があります。
対応者に求められるスキルは主に以下の3つです。

  • RPAツールの使い方に詳しいこと
  • RPA開発経験が豊富であること
  • コミュニケーション能力

特にコミュニケーション能力は、コーチングや、「なんでも相談窓口」で的確に判断して回答するために重要です。
すべてを備えた高スキル人材ではなくても、一通りの開発経験があれば初心者のサポートはできるでしょう。まずはサポート窓口を設置して始めてみましょう。
もし、サポート対応ができる人材が社内にいない場合は、信頼できる外部ベンダーに頼る手もあります。例えば、日立ソリューションズでは、Automation Anywhereを導入されたお客様からのお問い合わせを受け付けています。このように充実したサポートを提供しているベンダーを選ぶことも大切です。

RPAエンジニア育成のためのポイントまとめ

今回はRPA開発者を育成するためのポイントを紹介しました。
ポイントは「開発者のサポート」です。

  • トレーニング受講のみでなく、サポート窓口を設置すること
  • サポート窓口は「なんでも相談窓口」と「問い合わせ窓口」の2種類を設置すること

実際にこのポイントをおさえてサポート窓口を用意した企業では、もともとITに明るくない事業部門の業務担当の方でも20以上の業務に対してRPAロボットを開発し、自動化することができました。同じようにRPA導入を成功させるために、トレーニングを受講者したRPA開発者がスムーズにRPA開発に取り組めるようなサポート窓口の検討をおすすめします。
もし社内にサポート対応ができる人材が足りないのであれば、外部のサービスを利用することも検討するとよいでしょう。例えば、日立ソリューションズでは開発者を育成するためのトレーニング・サポート窓口・関連ツールやノウハウをご提供する「RPA業務支援BPOサービス」をご用意しています。このようなサービスも利用しつつ社内のRPA人材を育成していき、RPA導入プロジェクトの成功をめざしましょう。

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